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三日月たぬきのWeb本屋さん

閲覧有難うございます。特定個人の名前を出すのも禁止関西人の男。軽度発達障害の月に狂った人。本ブログで作品を紹介するエッセイや小説を連載中。小説宣伝相互評価依頼はお断りしております。甘口感想です。感想は一意見なので、気にしないでね!

和風アクション【バイオレット、バイオレット、シークレット】

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なろう作品
紹介作
タイトル:バイオレット、バイオレット、シークレット
アドレス:https://ncode.syosetu.com/n3126em
ジャンル・和風アクション
中性向け
長編
連載中
あらすじ・過去の菫畑で巻き起こったある事件に纏わる超能力者同士の耽美的な戦い。

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 ☆5段階評価。
 
ストーリー……☆☆☆☆☆
雰囲気……☆☆☆☆☆
文体……☆☆☆☆☆
キャラクター……☆☆☆☆☆
万人受け……☆☆
ニッチ受け……☆☆☆☆☆

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 いつからだろう。本当の言葉を云うのに怯えた猫みたいな連中が増えたのは。創作と関係ない雑念に惑わされて純粋に作品を楽しめなくなった奴らが現れたのは。他人を攻撃する正義に振り回され、本当の愛を忘れてしまったのは。
 ここはくだらない作家仲間同士が傷の舐めあいをする場所なのか? ここは歪んだ嫉妬や我が儘な感情をぶちまける場所なのか? 素直さを忘れた虚《うつ》ろな目の反抗期を消去された大人達の居場所《なろう》なのか。
 一番になりたいという真っ直ぐな情熱はどこに消えたのか。気が付けば誰かに隷従《れいじゅう》したような作者や読者ばかりが溢れている。
 空気なんて読まなくていい。顔色なんてみなくていい。ここは正義を振りかざす、場所ではない。
 都合の良い感想だけ、求めるくらいなら、最初から何も発表する資格などない。何も言えないような世界なんて、陰口よりも残酷だ。噂話や怒りの感情云われても、本当に糞なのは糞な事もいえない社会だ。誰かに従うようなくだらない作品を書きたいか? なろうテンプレを否定している訳ではない。お前は本当になろうテンプレが好きで書いてるのか?
なろうテンプレを人気取りや媚びで書いてないか? 本気でテンプレ作品が好きならば、人気作ほど批判されるという事を覚悟しろ。
 悪質な皮肉《ひにく》や罵詈雑言《ばりぞうごん》やあらゆる罠がこの世界では待っている。
 自分より上の奴らを引きずりおろしたい|奴ら《クズ》が沢山いる。そんな奴らを、ヘッドホンで塞ぐ覚悟はあるか?

 『謙虚』でいるくらいなら、頭おかしい奴でいい。
 変な奴だと思われたままでいい。
 本当に面白い奴だけを、俺は勇者と呼ぶ。
 くだらない自己愛の塊は勝手にストレス発散させておけ。
 ここでは性別も外見も職業も年齢も関係ない。何様でもない。何者でもない。みんなただの作者と読者だ。
 本当に面白い作者だけが神と呼ばれる。


 まるで美しい夕日の光を凝ったような淡く、儚い文体だと思った。それは朧な黄昏の空に浮かぶ深い卵黄のような日の光。
 まるで蜜滴るような甘く切ない誘惑。
 その日の丸のような文体と世界観を書く作者の名前は、九藤朋先生という。

 この作者の書いた【コトノハ薬局】(https://ncode.syosetu.com/n1862cs)という素晴らしいタイトルの作品がある。やはり異世界でもチートでもない。素晴らしく美しいタイトルだ。内容もまるで夕日のような神々しさである。こういうのを個性的というのだ。
 みろ、この卓越した耽美的という他ない情景描写の数々を。特に自然描写が優れている。四季の移り変わり、ヒロインのことさんの恋愛模様、白熱した戦闘シーンなど。美しい中にどこか狂った風情をみせる沈む夕日のような作品だ。
 なろうで和風作品を書いている者で、恐らく九藤朋先生のような人はいない。優美な文体の中、死の香りがそこはかとなくする作風は、九藤朋先生だけが書ける、個性だ。
 そして俺が一番紹介したいのは、まさに|菫《すみれ》の蜜滴るような甘さと毒を秘めた九藤朋先生の作品、【バイオレット、バイオレット、シークレット】(https://ncode.syosetu.com/n3126em)だ。序盤からヒロインの兄の死で始まるこの作品は、美しい菫の花畑に落ちた血溜まりのような倒錯に満ちている。キャラクターも個性的で和の空気を漂わせた人物ばかり。特にサブキャラの|華絵《はなえ》さんの妖艶さはキャラが立っている。
【私の妻と、沖田君】(https://ncode.syosetu.com/n9297eq/)は新撰組の沖田総司が出てくる作品だが、歴史の知識がなくとも楽しめるほのぼのとした作品だ。姉貴も言っていたが、料理の描写がすこぶるいい。とにかく沖田総司のキャラが濃い。ふんわりとした文体の個性的な過激な作家、九藤朋先生を俺は尊敬している。