あるお金持ちがロールスロイスで砂漠を横断するという冒険旅行を楽しんでいた。ところが、過酷な旅がこたえたのか彼の車は砂漠の真ん中で故障してしまい、全く動かなくなってしまう。
そこで、彼はいざというときに備えて車内に積んであった無線機を使い業者に連絡をとることにした。すると、やがて水平線のかなたから小型飛行機が現れて彼にピカピカのロールスロイスの新車を届け、故障した車を積み込むと瞬く間に引き上げていったのだ。あっけにとられながらも対応の早さに感心した彼はそのまま旅を続け、無事に砂漠を横断することができた。
それから何日か経ったのだが、ロールスロイス社から代金の請求が来なかった為、彼は疑問に思い電話をかけてみた。
「先日、○○で車が故障してしまって、代車とすぐに交換してもらったんだが、
あの時の代金はいくらかね?それにしても、すばらしいサービスに感激したよ!」
すると電話の向こうの社員は
「そのような事実は報告されておりません」
驚いた彼が
「確かに砂漠でロールスロイスが故障して・・・」
と説明を始めると、相手は途中でその言葉をさえぎぎってこう答えた。
「お客様、ロールスロイスは故障いたしません」
この話は、作り話なのかもしれないし、到底、真似の出来ることではない。
しかし、見逃されがちな大切なことは、
「あの会社なら、そのような対応をしてもおかしくない」
と思わせることなんだ