夜起きると、一つ電気がついている。見るとお母さんが静かに涙を流しながら、お父さんのシャツをハサミで切っていた。何かの手直しではなさそうだ。このところ最近二人が喧嘩しているのは知っていた。私はお母さんの横にくっついていた。どうしたの?今なら言えそうな言葉も、当時小学二年生の私は声をかける事すら出来なかった。子供ながらに不安な空気を感じていたからだ。
喧嘩が絶えなくなったある日、記憶の突然にあるのは、私の目の前でお母さんが叩かれた。口の端から血を流し、取り乱して泣いているお母さんをお父さんはアパートから追い出した。
これまでお母さんと離れるのが極度に嫌で、べったりな子供だった。お留守番と言われると決まって裸足で追いかけ大泣きしていた。
しかし、この日は体が動かない。
置いて行かないでと言葉が涙に変わる。
私とお母さんはもう、
お互い見えない所で泣いていた。
これが最後から2番目の別れになった。
続きはまた★
喧嘩が絶えなくなったある日、記憶の突然にあるのは、私の目の前でお母さんが叩かれた。口の端から血を流し、取り乱して泣いているお母さんをお父さんはアパートから追い出した。
これまでお母さんと離れるのが極度に嫌で、べったりな子供だった。お留守番と言われると決まって裸足で追いかけ大泣きしていた。
しかし、この日は体が動かない。
置いて行かないでと言葉が涙に変わる。
私とお母さんはもう、
お互い見えない所で泣いていた。
これが最後から2番目の別れになった。
続きはまた★