ノンペーパークラスで、ほとんど毎回、早稲田実業学校の過去に出題された類似問題を導入している。
慶應に次ぐ多くの志願者があるなかで、考査当日、短い時間の中で、生活力を計る問題を出題することは、
揃えるものが多いので、大変に違いない。
それでも、開学以来、考査内容はその方向を貫いているのは、学校に上がってからの生活での必要性があるからだろう。
1時間以上もかけて通学してくる子供たちもいる。 その道中、何が起こるか分からない時に、自分の身を安全に処せる力がないと、本人も、あえて言えば学校側も困るに違いない。
桐朋学園での話で、ある1年生の男の子がまだ学校に行き始めて間もない頃、車中で眠ってしまい、降りる駅を過ぎてしまって、慌てて引き返した。 乗り換えて家に向かったが、又その電車でも眠ってしまい、又、自分の家の最寄の駅を過ぎてしまった。中央線を行ったり、来たりで当然帰っている時間が過ぎて周りを心配させた・・という過去の話を聞いているが、でも、結果はそのお子様は自分でなんとか処理し、無事家に帰って来た。 そのお子様の後日談: 東大に進み、アメリカの大学にも行き、今なかなかの人生を送っているようだ。
今では、学校によっては本当に過去の話かもしれない。GPS導入で、立教小学校などは、そういう点で
余り問題がないようだからだ。安全面を優先すればそのような形になるかもしれない。
しかし、「自分で何とか解決する」という点についてはどうであろうか。
筆者もそうだけれど、携帯を家に置いて出かけてしまった時に、どうしようもない時がある。誰の電話
番号も覚えていなくて、さてと。 確かに便利なので、つい頼ってしまいがちになる。
ノンペーパー校対策のクラスで感じることは、日常生活で、親が「こんなことはできるだろう」と思われて
いることのチェックをした方がよいと思うことだ。就学前1年頃になったら、小学校受験をする予定がなく
ても、そうすべきだと思う。
幼稚園の登園前などで時間がないと、ついつい手を貸しがちだが、それをしていると、たとえば、
①着てきた洋服をたたむ
②体操着に着替える
③それを風呂敷に包む
④巾着袋に入れる
⑤巾着袋の紐は、できるなら蝶結びに結ぶ
⑥できたらカゴにしまう
のような一連のこと【これが実際には有名校のテスト問題です】が、とても時間もかかり、又、一つひとつのことがこちらが期待するようなきちんとした所作でできていない。
靴を脱がないで、ズボンを脱いだり、履いたりしようとする、お風呂に入るように全部裸になって
しまう。カゴの中、上だけがあなたの領分です…といっているのに、自分が立っている場所の周り中を
使って衣類をたたんだり、脱いだものをたたまない状態で置きっぱなしにする。作業をしながらふらふら
と歩いたり、ぺちゃぺちゃしゃべったりする。
上記のことは幼少時には誰でもあることに違いない。 でも、3月の卒園式までは幼稚園児で許されても、2週間後に 小学校に入学し、「児童」となった時には、それは本人が困るだけだ。
今、べビケーション運動を推進しようと思っている。 働くお母さんのために、育児経験者が赤ちゃんの時
から育児の手伝いをしよう…という運動だ。 『幼稚園では遅すぎる』 の本が一時ブームになったが、
「幼稚園でも遅すぎる」と感じる点が、幼児を預かる現場では感じることが、生活面で特に多いからだ。
写真は、昨日のノンペーパークラスで、早稲田の過去問への対応として、教室が準備したものの
一つです。