こんにちは。

氷川台たんぽぽ歯科クリニック院長の阿部です。

 

 

突然ですが、「ミュータンス菌」や「母子伝播」といった言葉を聞いたことがありますか?

 

「ミュータンス菌」は、口の中に存在する代表的なむし歯の原因菌で、口の中のミュータンス菌が増えたり、唾液中のミュータンス菌が多く存在する方は、むし歯のリスクが高いと言われています。

 

そして、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、このミュータンス菌は存在しません。ある報告によると、1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月の頃に、母親をはじめ周りの大人たちの唾液を介して、子どもの口の中にミュータンス菌は感染し、定着すると言われ、これをミュータンス菌の母子伝播と呼びます。

 

Caulfieldらは、2歳までは出来るだけミュータンス菌を感染させないこと、あるいはできるだけ感染・定着の時期を遅らせる事が子どものむし歯予防のポイントであると提唱しています。

 

そのため、子どものむし歯予防は、実は生まれて間もない赤ちゃんの頃から、両親や周りの大人たちの行動に影響を受けると言えそうです。

 

さらに最近の研究により、生まれてくる前の、つまり妊娠中の時期から、生まれてくる子どもが2歳になるまでの口の中のミュータンス菌を減らし、むし歯予防ができるということが分かってきました。

 

大変興味深い内容ですが、それについては、次回の項でご説明しましょう。