ChatGPTのモデルは世代ごとに進化しており、それぞれリリース時期や特徴、得意分野が異なります。さらに、2024年以降は推論(reasoning)に特化した「oシリーズ」モデルや、その小型版「mini」モデルも登場しました。以下にGPT-3からGPT-4.5、および「o」「mini」版モデルの情報を整理し、最後に比較表にまとめます。

GPT-3 (2019~2020年)

  • リリース時期:GPT-3は2020年にOpenAIが公開しました​

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    (研究論文発表は2020年5月、API提供は2020年6月頃)。
  • 特徴:前世代GPT-2から桁違いの1750億パラメータを持つ大規模モデルで、ゼロショット・少数ショット学習による汎用的なテキスト生成能力が飛躍的に向上しました​

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    。大規模データで事前学習されたGPT-3は、与えられたプロンプト例に基づいて多様なタスク(文章生成、要約、質問応答など)をこなせるのが特徴です。
  • 向いている使い方:知識記事の作成、クリエイティブな文章生成、翻訳、要約、質問応答など幅広い自然言語生成タスクに対応します。特にGPT-3は汎用性が高く、適切なプロンプトを与えることでプログラミングコードの生成から詩の作成まで多岐にわたる応答を生成できました。
  • 制約や短所事前学習のみのモデルであり、ユーザーの指示にそのまま従うよう最適化されていないため、不適切な回答や望ましくない出力(攻撃的・不正確な内容)もそのまま生成してしまう問題がありました。また文脈長は約2048トークンに限られ、大規模とはいえ知識には訓練データの偏りや2020年までの期限があります。論理的推論や数学問題では誤答することも多く、長い説明や一貫性を要する対話はやや苦手でした。
  • 提供プラットフォーム:公開当初は**OpenAIのAPI(有料)**経由で提供され、一般ユーザー向けの無料インターフェースはありませんでした。APIでは用途に応じてモデルサイズ違いのAda, Babbage, Curie, Davinci(GPT-3系統)を選択可能で、GPT-3(Davinci)は最高性能・高コストモデルとして提供されました。またMicrosoftがGPT-3の独占ライセンス契約を結び、自社サービス(例:Azure OpenAIサービス)でも提供しています。

GPT-3.5 (2022年)

  • リリース時期:GPT-3.5は2022年に開発されたGPT-3の改良系列です​

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    。具体的には、OpenAIが2022年1月に発表したInstructGPT(人間の指示に従うよう調整したモデル)や、2022年11月公開のChatGPT試作版がGPT-3.5モデルにあたります​

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  • 特徴:GPT-3.5シリーズはGPT-3をベースに強化学習(RLHF)による人間フィードバックで調整されており、ユーザーの指示を忠実に解釈して回答する対話能力が向上しました​

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    。性能面ではテキストの一貫性・整合性が改善し、長文の生成コード生成にも長けています(GitHub Copilotで使われたCodexもGPT-3.5系列)。GPT-3では困難だった踏み込んだ説明や抽象的な問いにも、より自然で的確な返答を返すよう最適化されています。
  • 向いている使い方:ChatGPTの初期モデルとして、人間との対話文章作成支援に適しています。具体的には質問応答、記事やメールの下書き作成、文章のリライト、プログラミングの質問への回答・コード提案など対話型AIアシスタントとして幅広く活躍します。InstructGPTの成果により複雑な指示にも対応できるため、ユーザーが要望するスタイルで文章を書くタスク(例:「敬体で要約して」等)も得意です。
  • 制約や短所:知識の**カットオフ(訓練データの範囲)**はGPT-3と同様2021年頃までであり、それ以降の最新情報には対応できません。またGPT-3.5は高度な論理推論や数学問題では完璧ではなく、**事実と異なる回答(幻覚)**も依然生じます。GPT-4ほどの精緻な推論力はないため、複雑な問題では誤りや曖昧な説明になることがあります。
  • 提供プラットフォームChatGPT無料版(2022年11月サービス開始時)はGPT-3.5モデルを使用していました​

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    。またOpenAIのAPIでは2023年3月にgpt-3.5-turboモデルが公開され、1kトークンあたり0.002ドル程度という低価格で高速なため、様々なアプリケーションに組み込まれています​

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    。ChatGPT PlusでもGPT-4が使えない場合や高速応答が必要な場合にGPT-3.5(ターボ版)を選択可能です。なお2024年7月にはChatGPT無料版のモデルがGPT-3.5から後述のGPT-4o miniに置き換わりました​

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GPT-4 (2023年)

  • リリース時期:GPT-4は2023年3月14日に発表され、同日ChatGPTの有料プラン(Plus)で提供開始されました​

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    。API提供も順次開始され、MicrosoftのBing ChatにもGPT-4が搭載されています​

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  • 特徴:GPT-4はGPT-3.5よりも信頼性・創造性が大幅に向上し、ユーザーの指示に対してより高度でニュアンスの細かい応答が可能になりました​

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    。また、8kトークン(約6,000語)および拡張版で32kトークンという大容量コンテキストを扱える点も強化ポイントです​

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    。さらにGPT-4はマルチモーダルモデルで、テキストだけでなく画像を入力として受け取り解析できます​

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    (例:画像の内容を説明したり、図を含む問題を解く)。公開当初は画像入力機能は限定提供でしたが、後にChatGPTの「Vision」機能として開放されました。総合的に、GPT-4は多くの専門試験で人間上位層並みの成績を収めるなど高度な知的タスクでGPT-3.5を上回っています。
  • 向いている使い方高度な文章生成や解析を要するタスクに適しています。具体的には、長文の記事作成、複雑な質問への詳細な回答、創造的な文章(物語や詩)の生成、プログラミングのデバッグやアルゴリズム設計支援などです。画像解析能力により、スクリーンショットからの情報要約や写真の説明など視覚と言語を組み合わせた応用も可能になりました。また法律・医学など専門領域の問題にもある程度対応でき、試験問題への解答生成など高い推論力を要する場面で従来モデルより優れています。
  • 制約や短所:GPT-4は非常に高性能ですが、応答速度がGPT-3.5に比べ遅いことや、計算資源コストが高い点が実用上の制約です。また事実上の知識範囲は2021年頃までで、それ以降の新知識には対応できません(2023年以降は後述のブラウジング機能などで補完)。**幻覚(事実誤り)**の問題も完全には解決しておらず、重要な内容では検証が必要です。さらに、入力画像に対する応答も完全ではなく、例えば極めて詳細な画像分析や動画の理解はできません。そしてOpenAIはGPT-4の学習方法やモデルサイズを非公開としているためブラックボックス性が指摘されました。
  • 提供プラットフォーム:GPT-4はChatGPT Plus(月額20ドル)で利用可能です​

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    。ただしリリース当初は需要過多により3時間あたり25メッセージなど利用回数に制限が設けられました​

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    (のちに緩和)。2023年後半にはChatGPT EnterpriseやAzure OpenAI経由でGPT-4を無制限利用できるプランも登場しています。無料ユーザー向けには直接GPT-4は提供されていませんが、MicrosoftのBing ChatがGPT-4相当モデルを無料で搭載しており、事実上一般ユーザも利用可能でした。また2023年6月以降、ChatGPT PlusではGPT-4にプラグイン機能やインターネット閲覧(Browse)機能、音声会話などの拡張機能が追加され、GPT-4の汎用性がさらに向上しました。

GPT-4o および GPT-4o mini (2024年)

  • リリース時期GPT-4oはGPT-4の強化版として2024年5月に導入され、GPT-4o miniはその小型・低コスト版が2024年7月にリリースされました​

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    。名前の“o”はOpenAI内の命名で、しばしば「GPT-4 orion(オリオン)」とも呼ばれます。
  • 特徴:GPT-4oはGPT-4に比べ処理速度と能力が向上したモデルで、テキストに加えて画像・音声・動画といった複数モーダルを扱える点が強調されています​

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    。GPT-4が画像入力までだったのに対し、GPT-4oでは音声入力(会話モード)や動画要約などマルチモーダル対応が拡張されたと報じられました。GPT-4o miniはその縮小版で、性能はGPT-4oに劣るもののコスト効率に優れます。GPT-4o miniはモデルサイズを小さく調整しつつGPT-4oの会話能力を維持したモデルで、従来のGPT-3.5を置き換える形でChatGPTのベースモデルに採用されました​

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  • 向いている使い方:GPT-4oは基本的にGPT-4の上位互換であり、日常的なチャット応答の高速化画像・音声を交えた対話に適しています。ユーザが音声で質問しモデルが音声で回答する対話や、画像・動画コンテンツの要約などよりリッチなメディア対応が求められるケースで威力を発揮しました。GPT-4o miniは計算資源の限られた環境で高性能チャットAIを提供する用途(例えばChatGPT無料版のバックエンド)に向いており、コストを抑えつつGPT-4クラスの対話を実現するのに貢献しました。
  • 制約や短所:GPT-4oは従来のGPT-4に比べ高速になったとはいえ、推論特化モデル(後述のo1シリーズ)ほどの逐次推論能力は持ちません。複雑な数理推論問題では依然ミスを犯す可能性があります。またGPT-4o miniは小型化により知識の網羅性や回答の精度がフルサイズモデルより低下している場合があります。創造的な文章や高度な専門知識が要求される場面では、元のGPT-4やGPT-4.5モデルに比べ弱い一面があります。
  • 提供プラットフォーム:GPT-4oはChatGPT Plusユーザにも追加料金なしで提供され、一定の使用量までは無料枠でも利用可能でした​

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    。具体的には、GPT-4o導入後は無料ユーザにも従来より高性能なモデルであるGPT-4oが制限付きで開放され、Plus等の有料ユーザはより高い使用上限でGPT-4oを利用できたようです​

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    。GPT-4o miniは2024年7月以降のChatGPT無料版の標準モデルとなり、誰でも無料で利用可能になりました​

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    。このため2024年後半には、無料ユーザでもGPT-3.5ではなくGPT-4系統のモデル(GPT-4o mini)でチャットできるようになりました。

GPT-4.5 (2025年)

  • リリース時期:GPT-4.5は2025年2月27日にOpenAIが発表した最新モデルで、ChatGPTのProプラン向けにリリースされました​

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    。リリース当初は月額200ドルのProユーザが利用でき、翌週以降にPlus(有料一般向け)や法人向けにも順次開放されています​

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    。GPT-4.5は次世代モデルGPT-5登場前の研究プレビュー的位置づけです​

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  • 特徴:GPT-4.5は「ChatGPT史上最大・最高のチャットモデル」と称される通り、大規模な追加学習によって知識ベースが拡大し、パターン認識や関連づけの能力が強化されています​

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    。回答の自然さや感情的な知覚(EQ)も向上しており、ユーザーの曖昧な意図や微妙なニュアンスをより汲み取って協調的に会話を進行できるよう調整されています​

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    。具体的には、GPT-4.5は単に質問に答えるだけでなく対話を広げる提案をしたり、必要に応じてステップを案内したりと、人間らしい温かみのある応答を示します​

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    。創造的なアイデア生成や物語作成などクリエイティブ分野にも一層強く、プログラミング支援や実用的な問題解決でもGPT-4を上回る性能を示すとされています​

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    。また事実に反する出力(幻覚)の頻度低減にも注力され、信頼性が高まっています​

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    。なおマルチモーダル入力(画像のアップロード)や外部ツール使用(関数呼び出し、ブラウジングなど)といったChatGPTの機能をすべてサポートしています​

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  • 向いている使い方:GPT-4.5は汎用対話モデルとして位置づけられており、日常的な質問への回答からビジネス文書の作成支援、創造的な文章の執筆、コードの生成・レビューまで幅広く対応します​

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    。特に文章表現の豊かさと柔軟な会話に秀でるため、文章のリライトやアイデアブレスト、学習の相談相手など人間らしい対話が求められる用途に向いています。またプログラミングについても従来以上に強力で、コード内のパターン認識やリファクタリング提案など高度なコーディングアシスタントとしても有用です。ただし後述のoシリーズのような厳密な逐次推論は持たないため、数学証明や複雑なロジック検証といったタスクは専門モデルの方が適します。
  • 制約や短所:GPT-4.5最大の特徴は人間らしい対話感ですが、その反面内部での綿密な論理推論(チェイン・オブ・ソート)は敢えて抑えられています​

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    。そのため、長い数式計算や証明問題など一手一手推論が必要な課題では完璧ではなく、推論専用モデル(oシリーズ)には劣る場面があります​

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    。またモデル規模が非常に大きいため応答速度がやや遅く、リアルタイム性が要求される用途には不向きです​

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    。音声出力や動画生成などのマルチモーダル出力機能は持っておらず、あくまでテキストベースと画像生成(別途DALL·E統合による)に限定されています​

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    。なおGPT-4.5は研究プレビュー段階のモデルであり、OpenAI自身「まだ探索中の段階」と位置づけています​

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  • 提供プラットフォーム:GPT-4.5はChatGPT Proプランで先行提供され、その後ChatGPT Plus(月20ドル)やChatGPT Teamプランにも提供開始されました​

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    。ChatGPT EnterpriseやEducation向けにも順次展開される予定です​

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    。またOpenAI APIでも全ての有料開発者がGPT-4.5にアクセス可能となっています​

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    。一方、無料ユーザ向けには現時点で提供されておらず、GPT-4.5を使うにはサブスクリプション加入が必要です(将来的に統合予定のGPT-5では無料・有料統合モデルになる構想が示唆されています​

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    )。

OpenAI o1 (推論特化モデル, 2024年)

  • リリース時期OpenAI o1はOpenAIが初めて公開した**「推論(reasoning)特化」シリーズのモデルです。プレビュー版が2024年9月12日**に発表され、同日その小型版であるo1-miniも公開されました​

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    。正式版のOpenAI o1はその後2024年12月にリリースされています​

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  • 特徴:o1シリーズは回答を出力する前に内部でじっくり思考(推論)することを重視して訓練された新型モデルです​

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    。具体的には、強化学習などを用いてモデル自身が一時的な推論過程を踏む(チェイン・オブ・ソート)よう調整されており、複雑な問題でも途中計算やステップ実行を行ってから答えを返します。o1-preview(プレビュー版)は非常に高性能で、物理・化学・生物学の難問で博士課程の学生に匹敵する性能を示したとも報告されています​

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    。もっともその分モデルが巨大・高度であるためAPI利用料金が非常に高額(入力100万トークンあたり15ドル、出力100万トークンあたり60ドル)で提供されました​

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    。2024年12月に正式版となったOpenAI o1は、知識面でも幅広い一般常識を持つ汎用的な推論モデルとして位置づけられています​

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  • 向いている使い方:OpenAI o1は数式証明、プログラミングのバグ修正、高度な科学技術計算など、ステップ実行や厳密な論理推論を要するタスクに適しています。例えば数学の難問を途中式を追いながら解いたり、科学論文の内容を論理的に検証したりする場面で、従来のGPT-4系より信頼できる回答を生成します。また知識面も汎用モデル並みに備えているため、常識的な質問にも答えられます。特に視覚情報の推論も可能で、OpenAI o1は画像入力にも対応しており視覚的な問題(図形パズルや画像内の情報推論など)にも取り組めます​

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  • 制約や短所:最大の短所は応答までの時間が長いことです。モデルが「考える」ぶん通常のGPTモデルより応答が遅く、対話をテンポよく進める用途には不向きです。また計算資源コストも極めて高いため、誰もが気軽に使えるモデルではありません。そのためプレビュー版o1は一部開発者や高額プランでのみ利用可能でした。さらに推論に特化したがゆえに、文章の自然さやクリエイティブさではGPT-4.5などのチャットモデルに劣る場合があります​

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    。会話の共感やユーモアといったEQ面はあまり考慮されておらず、あくまで厳密さ重視です。
  • 提供プラットフォーム:o1-previewは**OpenAI API(要高額クレジット)で提供され、推論1回あたりのコストが非常に高いため限定的な利用に留まりました​

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    。同時に公開された廉価版のo1-miniが後述するChatGPT Plus等で利用されています。2024年12月の正式版OpenAI o1は、ChatGPTのモデル切替メニュー(モデルピッカー)**にも登場し、一部上位プランで利用可能となりました​

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    (Plus/Teamでは従来o1-miniのみ選択可でしたがProプラン向けにo1本体が追加)。ただし一般のPlusユーザには引き続き小型版中心の提供だったようです。企業向けには高度な推論モデルとしてAPI経由で提供され、画像推論など特殊用途ではOpenAI o1を使うケースもあります。

OpenAI o1-mini (2024年)

  • リリース時期OpenAI o1-miniは上記o1の小型・軽量版で、o1と同日の2024年9月12日にリリースされました​

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  • 特徴:o1-miniはo1-previewと比較して推論性能をある程度犠牲にする代わりにコストと応答速度を大幅に改善したモデルです。推論アルゴリズム自体は踏襲しつつもパラメータ数の削減や最適化が行われており、推論モデルとして世界で初めて実用的なコスト水準(入力100万トークンあたり1.10ドル、出力100万トークンあたり4.40ドル)を実現しました​

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    。性能的にはGPT-4並みとも言われ、特にコード生成・コード理解に強みを持つようチューニングされています​

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  • 向いている使い方:o1-miniはソフトウェア開発での利用を意識して設計されており、プログラミングの質問応答やコード自動生成・修正といったタスクに適しています​

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    。また数学・物理の問題でも、大規模モデルほどではないにせよチェイン・オブ・ソートによる手順解法が期待できます。高い論理性を要求されるビジネス文書のチェックデータ分析のステップ解説など、厳密さが欲しい対話にも向いています。
  • 制約や短所:モデルが小型化されているぶん、o1(フル版)より知識の網羅性や推論精度が劣るケースがあります。極めて難解な問題では途中で推論を誤ることもあり、またo1-previewと比べ創造的な応答や長い連鎖推論は苦手です。とはいえ多くの場合GPT-4.5など通常チャットモデルより論理的である反面、文章表現はやや素っ気なくなる傾向があります。また画像入力など一部高度な機能はサポートされず、視覚推論が必要な場合はフル版o1を使う必要がありました​

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  • 提供プラットフォーム:o1-miniはChatGPT PlusやTeamプランのユーザが追加料金なしで利用できる推論モデルとして提供されました​

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    。ChatGPTのUIからモデルを「OpenAI o1-mini」に切り替えることで使用可能で、当初Plus/Teamでは1日50メッセージの使用制限がありましたが、後継モデル登場まで利用が可能でした​

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    。APIでもo1-miniは提供され、推論コストを抑えたい開発者向けに人気を博しました。2025年1月に後継のo3-miniが登場したため、ChatGPTではo1-miniは**新モデルに置き換えられ提供終了(Discontinued)**となっています​

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OpenAI o3-mini (2025年)

  • リリース時期OpenAI o3-miniは第3世代の推論モデルシリーズ(通称「oシリーズ」)の小型版で、2025年1月31日にリリースされました​

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    。2024年12月に一部ユーザ向けにプレビュー版が先行公開されており、満を持しての正式公開となりました​

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  • 特徴:o3-miniはSTEM領域(科学・技術・工学・数学)に特に強いよう最適化された高性能小型モデルです​

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    。前世代のo1-miniの低コスト・低レイテンシ特性を維持しつつ、推論アルゴリズムの改良により数学・コード処理能力が大幅に向上しています​

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    。開発者向け機能として、他のChatGPTモデル同様関数呼び出しや構造化出力、システムメッセージなどに対応し、ストリーミング出力にも対応しました​

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    。またo3-miniでは**「推論effort(思考深度)」を低・中・高の3段階で選択可能という新機能が導入され​

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    、高度な問題では高設定でじっくり推論し、簡単な応答では低設定で即答する、といった柔軟な使い分けができます。視覚情報対応は省かれていますが、その分コアモデルにリソースを集中しており、中程度の思考設定で既に前世代o1並の性能を示すと評価されています​

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    。実際のテストでも、数学・コーディング・科学分野の難問でo1-miniより明確に高精度**で、重大な誤りが39%減少したとの報告があります​

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    。最高設定では一部でo1(フル版)すら上回る推論力を見せました​

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  • 向いている使い方:o3-miniはプログラミングや数学問題の解決に卓越した能力を発揮します。コードのバグ発見やアルゴリズムのステップ説明、高度な数式計算、物理・化学分野の問題解決など、技術系ドメインでの精確な問題解決支援が主な用途です​

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    。また論理パズルや複雑な意思決定問題など、Chain-of-Thoughtを必要とするタスクにも適しています。チャットボットとしての会話も可能ですが、どちらかといえば専門的な問いに正確に答える**「思考エンジン」**としての性格が強いモデルです。
  • 制約や短所:o3-miniは小型モデルであるため、一般常識やオープンドメインの会話では最大級モデル(GPT-4.5など)に比べ網羅性が劣る可能性があります。ただしOpenAIはo1を「幅広い知識を持つ推論モデル」、o3-miniを「技術分野に特化した高速推論モデル」と位置づけており​

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    、日常会話など広範なトピックへの対応力はo1が担当しています。一方o3-miniは専門領域での精度と応答速度を追求しているため、雑談や創造的文章では平凡な出力になることがあります。視覚入力(画像解析)機能も持たないので、画像が絡む推論課題は苦手です​

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  • 提供プラットフォーム:o3-miniはChatGPT Plus・Team・Pro全ての有料ユーザに提供されました​

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    。Plus/Teamユーザではデフォルトで中程度の思考設定が適用され、必要に応じ設定「o3-mini-high」に切り替えて高度推論させることも可能です​

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    (Proプランでは両設定を無制限使用可能)。また画期的なことに、ChatGPT無料ユーザにも初めて推論モデル(o3-mini)が試用提供されました​

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    。無料プランではUI上で入力モードを「Reason」に選択するか、回答再生成時に確率的にo3-miniが用いられる形で限定的に利用できます​

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    。APIでは当初高位の利用者(使用量ティア3以上)に提供され、その後一般開放されました​

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    。なおo3-miniはリリースと同時にChatGPT上でo1-miniを置き換える形で導入されており​

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    、Plus/Teamユーザの1日あたり利用回数上限が50→150に緩和されるなどサービス改善も実施されています​

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最後に、以上のモデルについてリリース時期、特徴、得意なタスク、短所、提供プラットフォームを比較表にまとめます。