大学の結果だけで、人生は決まらない
どちらにしても受け止め方が大切
その経験は未来への糧になる
希望通り大学に合格できた方々、おめでとうございます。一方、全員が必ずしも第一志望校に合格できるわけではありません。不合格通知を受け取り、今は言葉にできないほど悔しく、将来が真っ暗に感じているかもしれません。ですが、どうか覚えていてください。**人生は一度の試験結果で決まるものではありません。**むしろ、この挫折をどう乗り越えるかが、あなたのこれからを大きく成長させる機会になるのです。「人生万事塞翁が馬」ということわざがあるように、一見不運に思える出来事が後になって大きな幸運につながることもあります。まずは視点を少し変えて、長い人生の中で今回の出来事を捉え直してみましょう。
希望通りに行かなくても成功した先輩たちの実例
実は第一志望に合格できなかったことをバネに活躍した人はたくさんいます。あなたが知っている有名人の中にも、若い頃に受験失敗を経験しながら、その後輝かしい成功を収めた人がいます。そのいくつかの例を紹介します:
-
東ちづる(女優) – 子どもの頃から成績優秀で教師になる夢を持っていましたが、第一志望の広島大学教育学部に不合格でした
。失意の中で彼女は「周囲の期待に流されるのをやめ」別の大学(大阪の大学)に進学し、卒業後に受けたオーディションをきっかけに芸能界へ進みました 。その結果、27歳でテレビデビューし、以後50代になった現在まで人気女優として活躍を続けています 。大学受験の失敗が彼女の人生の転機となり、真の天職への道を開いたのです。 -
田中慎弥(小説家) – 第146回芥川賞を受賞した作家ですが、実は彼も大学受験に失敗しています。ショックから約15年間ひきこもり、定職にも就かない日々を送りました
。しかしその間に膨大な読書を重ね20歳頃から執筆を開始、33歳で小説家デビューを果たしました 。受験に失敗したからこそ得られた独自の視点や考え方が彼の武器となり、文学界で花開いたのです。 -
アルバート・アインシュタイン(物理学者) – 世界的な科学者であるアインシュタインも、若い頃すべてが順風満帆だったわけではありません。16歳でスイスの名門校・チューリッヒ連邦工科大学(当時のチューリッヒ工科大学)の入学試験を受けましたが、数学・理科以外の科目で点数が及ばず一度目の受験に失敗しました
。失敗後、予備学校で勉強し直して翌年無事合格 。その後はご存知の通り、相対性理論などを提唱してノーベル賞を受賞するなど、誰もが知る偉大な科学者になりました。一度の不合格が、その人の可能性を決めてしまうわけではない好例です。 -
ジャック・マー(馬雲)(企業家) – 中国の電子商取引大手「アリババ」の創業者であるジャック・マーは、大学入試に2度失敗し、3度目の挑戦でようやく地元の教師養成大学に合格した人です
。さらに彼はハーバード大学に10回も出願して10回すべて不合格になるという経験までしています 。就職活動でも30社から不採用を突き付けられるなど、若い頃は失敗の連続でした 。しかし彼は諦めず努力を重ね、アリババを創業して世界有数の富豪となりました。その人生は、粘り強く挑戦し続ければ道は開けることを教えてくれます。 -
スティーブン・スピルバーグ(映画監督) – 映画界で数々の名作を生み出した監督ですが、若い頃に志望した南カリフォルニア大学(USC)の映画学部には3度も出願して3度とも不合格でした
。高校時代の成績が芳しくなかったためですが、それでも彼は別の大学で学びつつ映画制作の道を歩み続けました。その結果、『ET』『ジュラシック・パーク』など世界的ヒットを連発する監督となり、のちにUSCから名誉学位を贈られキャンパスに彼の名を冠した建物まで建てられています 。志望校に入れなかったことは、彼の才能を止める障害にはならなかったのです。
これらの例が示すように、第一志望に行けなかったことが、むしろその人の新たな道を切り拓く転機となったケースは珍しくありません。
たとえ一時的に遠回りに見えても、長い目で見ればその遠回りが貴重な経験となり、大きな成功や幸福につながることがあります。学校や肩書きだけが人の価値を決めるのではなく、「その後どう行動するか」が人生を形作るのです。
**あなた自身も、今回の結果をきっかけに新しい可能性に目を向けてみてください。**今は第二志望、第三志望の進学先に納得できないかもしれません。しかし、そこで出会う仲間や経験が将来の財産になるかもしれませんし、あるいは別の道(浪人や別分野への転向)で才能が開花するかもしれません。第一志望に行けなかったことは決して「敗北」ではなく、新しい挑戦へのスタートだと考えてみましょう。先に挙げた先輩たちもそうやって自分の道を見つけています。**あなたの人生はこれから何にでも向かっていけます。**どうか自分を過小評価せず、この経験を糧に前に進んでください。
親御さんへの提言:お子さんとともに前向きな一歩を踏み出すために
お子さんが大学受験で第一志望に落ちてしまったことを知り、親御さん自身も大変つらく、悔しいお気持ちだと思います。わが子の努力が報われなかった現実に、やり場のない無力感を感じているかもしれません。親御さんも決して楽な気持ちではないことは察します。**しかし今、何より大切なのはお子さんへの寄り添い方です。**親の言動次第で、お子さんがこのショックから立ち直る力を得ることもあれば、逆に深く傷ついて長く引きずってしまうこともあります。
ここからは、親御さんができる具体的なサポート策について、いくつか提言いたします。
-
絶対に子どもを責めないこと: これは何より肝要です。合格できず一番傷ついているのは他でもないお子さん本人です。例えば「なんでもっと頑張らなかったの?」などと追い打ちをかけるような叱責はNGです
。親がうっかり発した言葉で子どもの心を深く傷つけてしまうと、ショックから立ち直れなくなる可能性すらあります 。たとえ励ましのつもりでも、責めたり否定したりするように聞こえる言葉は避けましょう。 -
普段どおりの態度で、しかしいつもより優しく: 親御さん自身ショックでしょうが、**できるだけ平常心を保ってください。**お子さんに対しては、普段と変わらない接し方を心がけつつ、少しだけいつも以上に優しい声掛けや気遣いを示す程度で十分です
。過度に明るく振る舞ったり説教したりする必要はありません。むしろそっと見守り、「必要以上に関わりすぎず、でも放っておかない」というバランスが大切です 。子どもが話をしたい様子であれば耳を傾け、そうでなければ無理に踏み込まずに寄り添いましょう。 -
親の落胆や動揺を見せない: 親があまりにも深刻に落ち込んだ様子を見せると、子どもは「自分は家族を失望させてしまった」とさらに自分を責めてしまいます
。もちろん内心がっかりする気持ちはあるでしょう。しかし、その動揺や落胆はできるだけお子さんの前で表に出さないように注意してください 。親がどっしりと構えていることで、子どもは「自分の人生が終わったわけではないんだ」と安心できます。 -
子どもの努力と気持ちを認め、労う: 「本当によく頑張ったね。結果は残念だったけれど、○○までよく粘ったことを誇りに思うよ。」といった形で、これまでの努力をしっかり認めてあげてください。結果よりも過程で見せた頑張りや成長を褒めることで、お子さんは「自分の努力は無駄ではなかった」と救われます。失敗した今だからこそ、「あなたの価値は合否で変わらない」というメッセージを伝え、自己肯定感を守ってあげてください。
-
生活面でのサポート: お子さんが食事も喉を通らないほど落ち込んでいる場合もあるでしょう。消化の良い温かい食事を用意したり、好きな料理を作ってあげたりして、体調面を気遣ってあげてください
。充分な睡眠をとれるよう環境を整えることも大切です。こうした親御さんの気配りは直接言葉にしなくてもお子さんに安心感を与えます。「何があっても自分を支えてくれる存在がいる」という実感が、立ち直る力になります。 -
次の一歩を一緒に考える: お子さんの気持ちが少し落ち着いてきたら、今後の選択肢について前向きに話し合ってみましょう。ただし焦りは禁物です。浪人してリベンジするのか、合格した別の大学で新たな目標を見つけるのか、あるいは全く別の道に進むのか、最終的な決断はお子さん自身に委ねることが大事です。親はその選択を尊重し、必要な支援を惜しまない姿勢を示しましょう。「どの道に進んでも応援しているよ」と伝えることが、お子さんの勇気につながります。
-
親御さん自身の心のケアも忘れずに: お子さんの前では冷静さを保っていても、親御さんも人間ですから内心は動揺しているでしょう。そのストレスを溜め込まないよう、信頼できる配偶者や友人に気持ちを打ち明けたり、リラックスできる時間を作ったりしてください
。親御さんが心身のバランスを保つことが、お子さんを長期的に支えていく上で不可欠です。親が元気で前向きでいる姿自体が、子どもにとって励みになります。
親御さんにとっても苦しい状況だとは思いますが、この局面は親としてお子さんの力になれるチャンスでもあります。
長い人生経験に裏打ちされた落ち着きと包容力を示すことで、お子さんは「自分は一人じゃない」と安心し、再び前向きな気持ちを取り戻すことができます
。不合格は決して人生の終わりではありません。むしろ、「ここからどう立ち直るか」でその後の人生はいくらでも好転し得ます。お子さんがまた笑顔で次のステップに踏み出せるよう、ぜひ二人三脚で支えてあげてください。
おわりに:挫折を未来の成功につなげよう
第一志望に合格できなかった経験は、本人にとってもご家族にとっても辛い出来事です。しかし、ここで紹介したように、それを乗り越えた先には新しい道や成長が待っていることも多いのです。どんな成功者も、一度は失敗や挫折を経験しています。大切なのは**「失敗したこと」ではなく「そこから何を学び、どう行動するか」**です。
どうか今は焦らずに、少しずつで構いませんので前を向いてみてください。次の目標や楽しみを見つけ、新たな環境でぜひ自分の可能性を広げていきましょう。親御さんもお子さんも、今回の経験で得た悔しさや涙は、きっと将来の糧になります。**人生はこれから先、何度でも軌道修正も挑戦もできます。**今回の挫折を乗り越えた先にこそ、今は見えない大きな成功や喜びが待っているはずです。
ともに気持ちを新たにして、前向きな一歩を踏み出しましょう。それこそが、人生の試練を成長に変える最良の方法です。応援しています。😊