・帳簿の始まりはイタリア

15世紀 ルネサンス時代のイタリア商人(ヴェニスの商人)

最初は家族経営、

ヨーロッパでは寒いので採れないコショウ

(香辛料は肉を長持ちさせるので、高値で取引された。)

などの香辛料を東洋から輸入して、

船での商売がどんどん大きくなる。

商いが大きくなるにつれ、

利益の分配で争いが起きかねなくなった。

記録を残して公平性を証明し、

無駄な争いを避けるために

帳簿をつけるようになる。

 

・株式会社のはじまりはオランダ

16世紀のオランダはカトリックのスペインの支配下にあった。

カトリック教会は商売を不潔なものとしたが、

教会自体は免罪符を販売するなど裕福であった。

とうぜんの流れで、カトリック教会に矛盾を感じたルターやカルヴァンにより宗教革命が起きた。

1581年、オランダはカトリックのスペインと独立戦争を経て独立。

オランダには「神が与えたもうた職業に励むこと」が救済への道、と唱えたカルヴァン派が多くなった。


そのオランダに世界で最初の株式会社、東インド会社(Vereenigde Oostlindische Compagnie)ができる。


航海での商いは、順調に行けば莫大な利益をもたらす。

しかし、船が嵐に遭うなどすれば大きな損失になる。

そのために、仕入れなどの準備のための資金を家族や仲間以外(ストレンジャー、外部)から募り、

株を発行し、利益が出たときに配当を出した。

 

株を購入してもらうために、会社が上手くいく会社かどうか、成績表を公開した。

この成績表が現在のB/SやP/Lとなる。

 

・イギリスの産業革命

1666年、ロンドンが大火事になった。

街の再建のために木材が大量に必要になった。

緯度の高いイギリスでは

もともと森林が少なかったが、

それまでも建材や燃料として木材が伐採されていたために

そのころには木材が枯渇していた。

代わりに建材としては石やレンガで作られた。

代わりの燃料を探して、イギリス人は石炭に目をつけた。

「黒いダイヤ」と呼ばれる石炭は3000年前に中国で発見されたとのことだが、

ヨーロッパで使われたのはこの時代のイギリスが最初とのこと。

 

その後、イギリスでも炭鉱が発見された。

炭鉱から石炭を掘り出す際に、大量の地下水をくみ出す

必要がある。

そこで、ジェームス・ワットが「蒸気機関」を発明。

水を蒸発させて発生する水蒸気の上昇気流の力で排水ポンプを動かし、水をどんどん汲み出した。

これによって石炭の採掘は劇的に早くなった。

石炭採掘場の地下水の排水をするために蒸気機関が発明された!とは!

はー。こうして産業革命が進んでいったんですね。

 

・イギリス蒸気機関車の会社で「減価償却」の考え方が発明される

今度はジョージ・スティンブンソンが蒸気機関車!を発明。

蒸気機関車の会社の運営には、莫大な初期投資が必要。

莫大な固定資産が発生する。

この、固定資産を取得した期間、莫大な「赤字」が発生する。

これでは株主が離れてしまう。

という訳で生まれたのが、固定資産取得のための費用を

その後の期間にも均等に分けて発生させようとする「減価償却」という考え方。

 

ここから派生して、「引当金」「前払い費用」「未収収益」といった

「将来の支出」「将来の収入」を計上する考え方が生まれる。

「収入、支出」を使った「現金主義」の会計、から

「収益、費用」を使う「発生主義」の会計へ移行していく。

 

発生主義は、将来の出入金を計上するわけで、、、ここから「粉飾」「黒字倒産」が生まれていく。

 

(前半おわり)