死神。 世間にはほとんど 知られていない。
俺は、死神。 いつからこうなった のか 生前の自分の名前は 何だったのか 生前の記憶も過去も
ぜんぶわすれた
ただ分かるのは
死神になるのは、罪を犯した人間だけ
ということ。
俺は 一人の人間の一日を 毎日、観察している
名前は、天音という
..らしい。
それ以上は知らない
なぜか一目見た瞬間 もう目が離せなく なっていたんだ
俺は彼女を、愛してる
そんなことを 思わされるくらいに
彼女を死神の世界に 連れ込みたくなる位に
だけど残念なことに
彼女はまだ死にたく ないように見える
彼女は言ったから。
「結城..私。死なないから.. 結城のぶんまで生きる、から..!」
そう言って泣いて 目を真っ赤に腫らして 狂ったように体を 震わせて
「結城..結城ぃ...」
一人の男の名前を 呼び続ける。
彼女を泣かすなんて 最低な人間だな。
殺してやろうか。
彼女は日が経つにつれて みるみる痩せこけて いった
「ゅぅ..き..」
結城という男を呼ぶ声も か細く、弱々しい声に 変わっていった
そして彼女はついに 自ら命を経った
何らかの罪を犯したのだろう、 彼女もまた、死神となり
死神としての彼女は、 死神としての俺を見て
驚きの色を秘めた目を おおきく開いて
やっと言葉を発した
「結城ぉ兄ちゃん..?」
あぁ
そうか俺は
そういえば俺の名前は
結城だった
..天音の、兄
なんで忘れていたんだろう
でもいいや。
禁断の恋という罪を 犯した俺たちを 受け入れてくれる この 世界で
また君を愛すから
愛してる、俺のたった一人の、妹
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