以前「割腹」について調べたブログを投稿したが、その際に鳥卜に関する記述を見つけたのでその部分を和訳しようと思う。

まず、鳥卜についてコトバンクから引用する

 

【鳥卜】ちよう(てう)ぼく

で卜う。〔隋書西域、女国伝〕の初めに人を以て祭る。~祭畢(をは)りて山に入りて之れを(いの)る。一鳥り、~を破りて之れを、粟るときは則ち年豐かなり。~之れを鳥卜と謂ふ。
つまり、鳥の腹をかっさいて中を覗き、その中身によって吉兆を占う というものだろう。コトバンクでは「隋書」から引用されてるが自分は「太平御覧」で鳥卜についての文章を見つけたのでそれを残すと共に、他に見つけた同内容の違う文書からの引用も残そう。
まず、「太平御覧」《百穀部二》《麥》の記述を見ていこう。
令巫者詣山中,散糟麥於空,呼鳥,俄飛入巫者之懷。因視之,,來歲必登;若有霜雪,必。其俗,名為鳥卜。
まず、
令巫者赍肴詣山中
を訳していこう。
「令」は敬称のようで「様」のようなものだろう。「巫者」はまあ「巫女」として差支えはないだろう。つまり、「令巫者」は「巫女様」とでもなるだろう。次に「赍」は「齎」と同字のようで「もたらす」という意味らしい。よってこの文を読み下し日本語訳すると、
令巫者山中に詣りて肴を齎し
巫女様は山中に詣って捧げものをし
となるだろう。
次に、
散糟麥於空
これは大したことないのでそのまま読み下していく。
糟麥を空に散らし
麦の糟を空に散らし
次、
犬咒呼鳥
これを見た瞬間「ん?」と思うのが普通だろう。まず、漢字を見ていくと「咒」とは「呪」で「のろう、まじなう」と読む。そして問題は「犬」だろう。漢文を読む上での基本は「SVO」英語とおなじだ。この基本に則って考えるとこの文は
犬が鳥を呪い呼ぶ
となる。
しかし、これは間違いである。その理由と正しい訳は後に書く。とりあえずここは保留にしておく。
次、
俄而鳥如雞飛入巫者之懷
「雞」は「鶏」のことだ。ここもそんなに難しくは無い。
俄にして鶏の如き鳥巫者の懐に飛び入り、
突然鶏のような鳥が巫女の懐に飛び入り、
となる。
次、
割腹而視之
これも簡単
腹を割って因り之を視る
腹を割ってその中を視る
次、
每有一谷,來歲必登;若有霜雪,必有災異。其俗信之,名為鳥卜。
ここは占いの内容、そしてその占いの名称の説明である。
一谷有る毎、来年必ず登る。若し霜雪有らば、必ず災異あり。其の俗信の名を鳥卜と為す。
一つ谷があれば、次の年は必ず登る。もし霜雪が有れば必ず災異は起こる。このような俗信を鳥卜という。
谷の部分は解釈が必要だろう。往々にして占いというものは回りくどい文章で解釈が必要だ。以下は自分の解釈とそれに至った経緯である。
まず、谷というものは登るものではなく下るものである。つまり、一つ谷が有れば登るというのは良くないこと一つが起こったら次の年には必ずその分良いことが起きると解釈できる。
如何だっただろうか?これでこの文章はある程度理解出来たと思う。これでおわり






ではない、
まだ、犬咒呼鳥が残っている。しかし、そろそろ疲れてきたしなかなか長くなってしまったのでこの先は次回に回したい。許して。