仮登記をどうするかの顛末の途中ですが、今回は気分転換に別のネタを書きたいと思います😆

ブロ友さんが、不動産業者からキックバックを要求されたという記事を投稿されていたのですが、それに関連する春先の出来事を思い出しました。

知り合ったばかりの、ある不動産業者から、次の内容の相談が来ました。

『顧客の両親が認知症（医師の診断あり）で施設に入っている。父親名義の住居を一人息子（顧客）の名義にしたいんですが…』

司法書士は実務上、依頼者の本人確認と意思確認をしっかりする必要があります。

特に、不動産の権利を失う側である登記義務者の確認は慎重に行う必要があります。

その登記義務者となる父親に認知症の診断が出ている以上、司法書士はそのまま登記の手続きを進めてはいけません。まず成年後見人等を付け、居住用不動産の処分であれば、裁判所の許可まで必要になります。

私としては当然、認知症の診断が出ているのなら、成年後見人等を付けて裁判所の許可を得ないと名義変更（父親から息子への所有権移転登記）は出来ないとの回答をしたところ、その不動産業者は、

『そこを、先生の方で上手くやってもらえませんかね。』

との驚きの発言が💦

さらに、次のような発言も。

『こういう登記をやってくれる先生もいると聞きますよ。母親も認知症だし、一人息子だから問題ないと思うんですよね』

私は、それは司法書士の懲戒事由に該当すると説明しましたが、その不動産業者は、『バレなければ大丈夫でしょう』というリアクションをするのみ。

（配属研修の際、似たような案件を処理した地元の司法書士が、重い懲戒（事実上の業界追放）を受けたという話を聞きました）

これ以上、話を続けても仕方ないと思い、私としてはその案件を引き受けることは出来ないと丁重にお断りしました。

（その後、その不動産業者からはナシのつぶてです🤣）

実務に就くと、胡散臭い話にちょくちょく出くわします。

特に売上が少ない頃は、多少グレーな案件でも引き受けたくなるかもしれません。

しかし、配属研修でお世話になった、尊敬する先生の次の言葉が今でも頭の中にしっかり残っております。

『武士は食わねど高楊枝』

たとえ売上が少なくとも、法律実務家としての矜持は大切にしていきたいと思います✨

おらほも家猫の矜持を大切にするでね✨