第30回奈良県青年祭・展示の部 彫刻 | 谷本雅一の日々一筆

谷本雅一の日々一筆

石材加工・石積・石張り国家検定1級技能士、平成26年度現代の名工最年少受賞・技能グランプリ金賞の谷本雅一が綴るブログ。
石の魅力や職人の技を紹介します。

久しぶりにエピソードです。


私が初めて彫刻に挑戦した時の事ですので、今から15年ほど前の話になります。


修業を終え、家業である谷本石材で切磋琢磨していたとき、中学時代の友人が青年祭に何か出展しないかと、声を掛けてくれた。


元々私は幼いころからものづくりが好きで、図工や美術は大好きだった。



中学の頃は美術部に所属し、高校も美術科のあるところへの進学を先生から勧められたりもした。



進学は中々希望は通らなかったが、友人が声を掛けてくれたおかげで挑戦できるものが見つかった。



何を出すか、悩みに悩み、本屋で参考になりそうなものはないか探していた時に、かわいい仏様の彫刻の本を見つけた。こんな仏様を作ろうと決め、生まれて初めての彫刻に挑戦することにした。



まったくの初心者のため、何をどうすればよいか分からず、こんな感じかな?と手探りで作業を進めた。



大きさは40センチくらいの石に、彫り込みのお地蔵様。製作期間は出品日まで半月しかなかった。顔の表情が特に苦戦した。


完成した仏様を見ると、初めての作品にしては自分でもまあままの出来かな?とその時は思えた。


未知の世界ではあったが、作業を進めていくととても楽しかった。友達に誘ってもらわなかったらこのような機会はなかったと思うので、声を掛けてくれた友達に感謝している。


結果は「優秀賞」



最優秀賞を逃したことは残念だったが、とても良い経験になった。