「わが子のことをちゃんと見守れているのか」
「これは、放置をしているだけなのか」
そう思ってしまうことはありませんか?
迷っているということは、
ちゃんと気にかけているということです。
放置とは、気にかけないことです。
迷っているあなたは、見守る側にいます。
答えを求めようとするその気持ちが、
すでにお子さんへの愛情です。
気配だけ、残して
学校を休んだその日、中学一年生の少女は、
夕方になっても部屋から出られませんでした。
お腹は空いています。
でも、食卓に行く気持ちになれない。
しばらくすると、廊下に気配がしました。
コツン、と軽いノック。
「ご飯、ここに置いておくね」
母親の声がしました。
返事を求めることなく、
すぐに足音が遠ざかりました。
少女は静かにドアを開けました。
廊下に、夕食が載ったおぼんがありました。
温かいおみそ汁とご飯。
少女はおぼんを持って、部屋に戻りました。
――お母さんが、そばにいてくれている……
そう思うと、胸のどこかがほぐれたようでした。
母親は答えを持っていたわけではありません。
ただ、そこにいた。
それだけで、十分でした。
気にかけている、それだけでいい
「見守る」というと、何か特別なことをしなければ、
と思うかもしれません。
でもお子さんが温かさを感じるのは、
言葉だけではありません。
「気にかけている」という姿です。
それが、見守るの正体です。
ただそばにいることが、一番大きな支えです。
うまくできないと思う日々も、
何も言えなかった日々も、
全部ひっくるめて「そばにいる」という存在が、
お子さんの中で静かに気持ちを
包み込んでいきます。
境界線が見えなくなる日があっても、
大丈夫です。
迷いながらでも、そこにいる。
それが、見守るということです。

