先日、ご納品させて頂いたリングをご紹介させて頂きます。



こちらがお客様がお持ちになったリング




とても美しいサファイヤなのですが、変わっているのはカボションカットという


コロンツルツルとしたカットな事。あまり日本では見かけません。


イエローゴールドの華奢なデザインのリングです






お話をお伺いすると、お父様がオーストリア駐在時代に不意にお母様にプレゼントされ


それ以来お母様は一日たりともお指から離さなかった   との事



「母は、毎日指に付けていて私達子供はそれを見て育ち上がったのです。」



と、微笑まれました。



綺麗ね~  とよく幼い頃に弟と申しておりました。




と、当時を思い出されたのか少しお嬢様と目を合わせてお笑いになり、



続けて



その母が亡くなり形見として私の手元に来たので、デザインを変えて自分も身に付けたいと

思う様になり、今日はそのご相談に来ました・・・とお隣にお嬢様を伴っていらっしゃいました。




新しいデザインの事、使い心地の事など、サファイヤの美しさを損なわないようにと、


お母様がご愛用されていた元のデザインの雰囲気を少し持ち続ける事など


色々とご提案させて頂いて





最終的にこちらのデザインへ






少しアンティークな雰囲気


特別なブルーの色味と照り感に合うように



そして、デザイン画を信頼出来る腕の良い職人さんへ渡し、手作りで丁寧に作って頂きます




完成品





「何か指輪の内側へ文字を刻みませんか?」



いつもサービスで記念のメッセージや日付などを入れさせて頂いている経緯をお伝えしますと、


お客様は、少し   お考えになり


お母様のお名前とご自分のお名前を


     ~     で繋いで欲しい



そして、



私の名前の後にもう一人




娘の名前を彫るスペースを残しておいて欲しい





と仰り、ゆっくりと微笑まれたのです。



指輪を受け継ぐ




と言ってしまうことは簡単ですが、実際は50~100年以上が最低でも必要です



代々、大切に指輪とその指輪に纏わるストーリーを引継ぎ受け継ぐという事の難しさを

知っているからこそ私は感動してしまいました




これこそがこの仕事の醍醐味・・・・とこの仕事に関われた事に大感謝





お渡しの日から幾日が過ぎ、店舗のスタッフ様からのメールが届きました



「あのブルーサファイヤのお客様ですが、  想像通り  と指輪を見つめて仰っていました。」




あの方らしい




いつの日かお客様からお嬢様へサファイヤのリングは受け継がれる



その時に、リングの内側の刻印にお嬢様のお名前が刻まれ




3世代に渡り



いえ





それ以上に受け継がれ愛されて行くのでしょう


   

  





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