気づいた時すごくムカついたよ。

気づいた時すごく笑えたよ。

俺はこの決められた運命に逆らってるつもりだった。

必死に足掻いて

必死に逃げて

バカみたいじゃん。

俺。

ほんとは君が俺を操ってたなんてさ。

気づきもしないで

手のひらの上で転がされて

馬鹿な俺を見て

楽しそうに笑う君の顔が目に浮かぶよ。

君を殺したいほどに憎んだよ。

でも殺さなかった。

俺は大人だから。

臆病な君とは違うよ。

全然違うから。

俺は

臆病者じゃない。

でも

未来が見つからないんだ…

たまに

見るもの全てを拒みたくなる。

見るもの全てを否定したくなる。

こんな時のボクは

抜け殻みたくぼーっとしていると思う。

だけどとても醜い顔をしてると思う。

心が醜いからね。

どんどん

どんどん

沈んでくんだ。

何処にも摑まるところがなくて。

なすがままに。

別に助かろうなんて思わない。

もうどうだっていいもの。

人を否定するしか出来ないボクなんて。

人を嫌うことしかできないボクなんて。

諦めかけてた。

だけどみてしまった。

”ボク”の心を。

「たすけて。」

「消えたくないよ。」

「ほんとは人を愛してみたい。」

”ボク”は必死に手を伸ばしてた。

泣きながら。

泣いてるのに不思議と馬鹿らしく思わなかった。

逆に・・・

とっさにその手をつかんでた。

ボクが”ボク”を助けていた。

おかしな話だよね。

だけどとても懐かしかった。

涙があふれてくる。

ああ

ボクは”ボク”を見つけたんだ。

あなたの心は何処ですか?

あなたの夢は何処ですか?

あなたの目は何処を見ているのでしょう?

知っていますか?

私が此処にいることを。

私はずっと見ています。

私はずっと待っています。

全てを受け入れる準備は出来ていますよ。

この手に 喜びを 悲しみを

この胸に 希望を 絶望を

全てが生きる証ですから。

私はあなたと同じものが見たいだけです。

あなたと同じものを感じたいだけです。

知っていますか?

私がずっと

此処にいることを。

みた?

君はみた?

本当のボクを。

見てしっまたなら、もう後戻りはできないよ。

残念だけど、ね。

なかったことには出来ないから。

ボクも隠し通すことはできない。

君もこの姿を忘れることは決して出来ない。

時間を戻すことが出来たらいいのにね。 

でも、無理。

時を戻すのは最大の禁忌だから。

君が最期に話す相手がボクで嬉しいな。

さぁ、もうすぐだ。

準備はいいかい?

絡みついた糸。

此処から逃れられるのはいつだろう。

気持ち悪い。

頭が痛い。

身体がだるい。

やる気がおきないんだ。

戦意喪失。

いつの間にか糸に絡まってた。

気が付いたらもう手遅れ。

どうしようか。

考えるのも面倒くさい。

誰か助けてくれないかな。

他力本願。

待っているばかりではだめなんだ。

解かってるさ。

そんなこと。

でも

身体が付いてこない。

何故だろう?

感覚がないことに気づく。

気持ちが悪いのも

頭がいたいのも

気のせいだった。

よく見たら

糸なんて絡まってない。

ただ漂ってるだけ。

この空間を。

自由になったはずの身体がない。

あるわけないさ。

もう身体は

消滅してしまった。

この世に不要な存在になったから。

初めて夢を見た。