最初の頃の「阪神タイガース優勝の経済効果に対する批判的考察(1)」にて紹介した阪神タイガースだけの経済効果については、1300億円という試算があがっていた。

今回は、オリックスと合わせて経済波及効果1600億円余という記事について、批判的に検証したい。

以下の記事の元になっている経済波及効果の試算結果は、アジア太平洋研究所(APIR)という関西屈指の研究所が発表している(注1)。内容は基本的には関西2府4県に三重や福井を加えた10府県(935億円)や大阪府(427億円)、兵庫県(250億円)の経済波及効果が確認された、としているもので、全国では1607億円に上っているとしたものである。

APIRは、経済波及効果を計測するにあたり、独自に開発したAPIR関西地域間産業連関表を用いている。また、可能な限り前提条件等や算出方法を明示している、としている。この算出方法ならびに算出結果の公表自体は非常に素晴らしいものであると考える。ただ、これまでみてきたようにこの消費支出額についても、プラスの面だけを捉え、マイナスの経済効果は考慮していない(注2)。

 

 

 

注1)https://www.apir.or.jp/wp/wp-content/uploads/APIR_Trend_Watch_No.91_2023-1205_final.pdf(2023年12月5日閲覧)

注2)そもそも経済波及効果とは、産業連関表を使って、プラスの面だけを計算するものである、と言われてしまうとそのとおりである。ただ、それは、「マイナスの経済効果(相殺)」は考慮に入れていないので、そのままGDPの増加等にはつながらないことは理解しておく必要がある。