大好きな三菱一号館美術館へ

何度訪れても、あの空間に足を踏み入れるだけで、
時間がゆっくりとほどけていく。

アール・ヌーヴォーの曲線も好きだけれど、
今回のアール・デコ展には、まっすぐで、
どこか“芯のある美しさ”を感じた。

初期のプラダやカルティエ、シャネルの作品たち。

華やかさの奥にある、自由と知性、そして凛とした女性像。
その世界観が、今の私の心にすっと染みこんだ。

建物の中も、本当に好き。

階段、照明、ドアの取っ手──
細部に息づくデザインの美しさに、
つい夢中で写真を撮ってしまう。

たぶん、展覧会よりも枚数が多いかも（笑）

窓から見える丸の内の街並みを眺めながら、
「私は、こういう世界に惹かれてきたんだな」と思う。

自由でありながら、秩序があり、
静かな情熱が流れているような世界。

そんな帰り道。
現実の私は、
日々、子どもたちのこと、仕事のこと、
心の中でいろんな葛藤を抱えながら生きている。

でも、心のどこかではわかっている。

“いま見えているこの現実”は、
新しい私の在り方が形になる途中の風景なんだと。

アールデコのように、
強く、繊細で、そして実用的に。

心地よい自由を、無限の豊かさで当たり前に生きるために、
少しずつ、整えていく最中なんだと思う。

静けさの中で、ひとつの絵と向き合う時間。

そこにいる自分の心が少しずつほどけていく。

✴︎ 自由も豊かさも、私の自然な状態

アールデコ展と、心の直線 ー 三菱一号館美術館で感じた、“私らしさ”の輪郭

アールデコ展と、心の直線ー三菱一号館美術館で感じた、“私らしさ”の輪郭