YAMAHA L-10のリペアです。
お話によると45年位前のモデル。もうかれこれ30年ほど弾いていなくて、ずっとケースの中に入れっぱなしだったそうです。また、弾いてみようということで調整に来られました。
ご覧の通り、とても45年前のモデルとは思えない、いい状態で保存されてた個体です。
いろいろと調べてみるとビックリ。
45年前という時期のこのモデルには指板、サイド・バックの板にハカランダが使用されているそうです。実際きれいな木目。指板は、現在流通しているくらいのエボニーではないかというくらいの素敵な色です。
また、点検してみてビックリ。
少し順反りしていたので、調整しようとロッドカバーを開け、レンチを差し込みました。なんと、ロッドはゆるゆるの状態。ほんのわずか締めこんだだけでしっかりと調整できました。しっかりとした太さのトライアングルネックが関係しているのかとも思いましたが、いいつくりのギターなんだと感心しました。
今回のリペアは弦高を低く、弦を抑えやすいように。聞けば、娘さんやお孫さんにも興味があれば弾いてほしいということだそうです。
さすがにナットが減ってしまっていたのと、今回弾きやすさの追求ということで10‐48の弦を採用するので、ナットの新調。
弦高を低くということですので、ブリッジサドルの調整。1弦2.8㎜、6弦3.4㎜から、1弦2㎜、6弦2.5㎜位にしたいと思います。今まで削ったこともない個体で高さもしっかりと残っています。サドルを1.6㎜程度削る感じです。幸い、古いモデルではありますが、トップ浮きは本当に軽く、しっかりと目標の値に落とせそうです。
今回要望はありませんでしたが、せっかくなのでフレットや指板のクリーニングも済ませ、気持ちよく久しぶりのギターを楽しんでほしいと思っています。