【善悪と損得と】
先日聞かせていただいたある方の講話。
若い頃に教えていただいたことが、今もその方の選択基準となっているというあるエピソードが40分の講話の中で特に印象的で、数日経ってもまだその一言が心に残っています。
“善で得ならあなたはそれを選びますか?
迷わず選ぶと思います。
悪で損ならどうですか?
迷わず選ばないことを選ぶことが出来ると思います。
では、善で損ならどうでしょう?
あるいは、悪で得ならどうですか?
迷わず選ぶことが出来ますか?
善だとしても、損を取れますか?
得をするとしても悪に行きますか?
悪をしてまで得を取ってはいけませんね。
損だとしても、善を選べるようになっていきたいですね。”
出会った時からいつも笑顔で、常に周りを笑わせて、自分がかっこ悪いところを見せてでも最後には相手を勝たせる人。
藤村俊二みたいな飄々としたところがあって。
大好きな人。
60代後半だったと思うけど、どうしてこう在れるんだろうかって、とても魅力を感じて、彼を知る人にどんな人なのかを聞いたことがあります。
その方は、数年前にある団体の副会長として役割を受けました。
当時の会長職を受けられた方は、多忙だったのかほぼ会の運営には携わらず彼が孤軍奮闘で僻地と言ってもいい不毛の地での活動を熱心に行ったといいます。
しかし、努力はすぐに成果を生まず本部からは会の閉鎖を宣告されてしまいます。
そして、会の閉鎖を全て副会長である彼の責任だとして、全体役員会でお詫びの言葉を言わせその方は会を遠ざかることになりました。
そんな扱いを受けた方ですが、彼の頑張りを知る人たちはまた別の団体の活動にどうしてもその方が必要だと口説きに口説き、再び副会長としての役割を受けることになりました。
それが昨年。
私がその方と会うことになった頃です。
そして、その方が副会長を務めた会の会長は任期を終え、相談役となり時期会長としてその方を推挙されたそうです。
半年かかってその方は会長を受けることを決められました。
私もいくつかの場所から離れた経験があります。
場所を離れることで、もう一切足を踏み入れることがなくなったこともあります。
一度離れた場所に再び戻るということはエネルギーも勇気も必要です。
いろんなハードルがあるはずです。
ましてや役職が役職、経緯が経緯です。
この方の話を知っていたので、彼が新しく会長になるという話を伺いどうしても彼の講話を聞いてみたくなりました。
相変わらず飄々と自分の生きてきた道を笑いながら話す姿。
そして、損でも善を選ぶという価値観。
“あぁ、こんな人になりたいなぁ”
久しぶりにそう思いました。
成長するためには、モデルにする人物がいるといい、と聞いたことがあります。
これまで尊敬する人にはたくさんご縁をいただきましたが純粋に、在り方としてこんな人になりたい、と思ったのは初めてのことです。
やっぱり大好きな人。
また会いに行こうと思います。
では、また。