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ながらみ書房から作品の注文があり、『短歌往来』10月号に出詠して、掲載号が先週送られてきました。

この雑誌は予約制になっており、一般の書店では販売されていないので、歌人以外の人の目に触れることはあまりないと思い公開します。

地下壕へ好奇と恐れの目を向けき平和学習の女子高生は

ツルハシの穿ちし痕は風化せず六十余年前の意志持つ

配線の碍子は外れ木材の朽ちて残れる壕の天井

動員の民苦しみし地下壕に地層の縞はかくも美し

薬局の棚は朽ち落ち整然と支持の細木が残る壁面

壕の壁に「USA」の落書きは占領軍の兵が記しけむ

女生徒の私語をおさめて壕の奥 奉安殿は何かを語る

地下壕に遊びほうけし日のありき戦終はりて少年らの夏