聖木翔人著「70歳からの俳句と鑑賞」(本の泉社)のご購読をおすすめします。

 

 「白」の仲間である聖木翔人さんが今般、表記の本を出版されました。その内容を簡単に紹介いたします。ぜひとも手にとって読了されんことを祈っております。

 

 「平易に、なお平易に、詠んで10年、選んだ500余句。まっすぐに生きてきた人生が映る。悲喜こもごも、でも怒りは忘れない。滋味ある世界がひろがる」(帯文)。

 

 この本には二つの峰があります。一つは翔人さんの「俳句」545句。「翔人俳句」は、平易に詠まれ真摯に表現された圧巻の作品群になっています。

もう一つの峰は、翔人さんが書かれた既発表・未発表・書下ろしの「鑑賞」です。 

 中心に「白日・白月集抄」の鑑賞を据えて、すでにお読みになった方もいるでしょうが、こうして「白」に掲載された俳句作品と鑑賞を改めて読むと、懐かしさと強い感銘をうけます。取り上げられている「白・俳句」の素晴らしさに改めて目を見張りますが、同時に、それを、その句の内面に分け入って読み、句がもつ深く大きな世界を描ききる翔人さんの鑑賞の力にも唸ってしまいます。

 俳句の鑑賞は数多くありますが、この鑑賞文は、「鑑賞は、すなわちひとつの文学作品である」ことをあざやかに示したものとして、貴重なものだと言えるでしょう。

 

 全277ページ。ページ順に「俳句」から読むのもよし、気ままにめくったページから読み始めてもよし。さほど「分厚さ」を感じることなく読むことができます。

おすすめは「まえがき」「あとがき」を先に読んでみること。それだけでも翔人さんや翔人さんの俳句に対する考え方の一端を知ることができます。

 

※書店の店頭にない場合は各自でご注文ください。インターネットでは、「聖木翔人」と入力すると、この本の内容や購入方法がわかります。アマゾン、楽天をお使いの方も著者名だけを入力すると本が紹介されています。定価は税込み2000円。正式の発売日は12月6日です。

 

著者プロフィール

聖木 翔人(すずき しょうじん)=本名、鈴木謙次。1943年東京都生まれ。香川県で育ち、宮城県仙台市をへて、現在、さいたま市在住。俳句集団「白」所属。著書に『メールで交わした3・11』(本の泉社)。