うまくいってないことがあって
焦っていて。
このままだったらどうしよう。
自分ひとりの問題なのに
ちょっと心が汚くなって
一生懸命働いて帰ってきた恋人に
よそよそしくしてしまった。
疲れて帰ってきているだろうに
可愛くない自分を見せてしまうのは申し訳なかったから
あまり目を見ず
さっさとベッドに入って
背中向けて
眠ろうとした。
でも眠れなくて
ベッドを出てひとりで離れて座っていたら
寝たと思ったのに
恋人が
まるで私みたいに
ベッドからゴロッと落ちて
そのままこっちに来た。
「どうした?」って
いつもの優しい声で聞かれたけど
何も言えずにもごもごしてたら
「どうした」
って
“話して”の
真剣な目で聞かれた。
だから
「イライラして…」
と正直に話した。
そしたら恋人は
「うん、そんなときもあるわな」
と言って、
それでも私が黙っていると
「よし、○○(←恋人の呼び名)をたたくか」
と言ったから
びっくりした。
話させようとしてくれたことも
そんなことを言ってくれる
その気持ちも
涙が出るほど嬉しかったけど、
愛しい人をたたくことはできないと思ったから、
私は
カブッと、
あごを噛んだ。
「おぉっ、そうか」と
恋人は意表を突かれて驚いてたけど
その後もカブカブ噛む私を
腕の中に入れてよしよしと
なだめてくれた。
勿論、痛く噛んだりはしないけど
この人は
どうして
こんなに私に優しくしてくれるんだろう。
時々しみじみ不思議に思う。
「一緒に寝ようや」と言うので
「うん」
と言った。
「素直やなぁ」と
褒めてさえくれた。
私のごにゃごにゃで
眠たい君の
睡眠時間を
割かせて
ごめん。
優しくしてくれてありがとういつもありがとう。
それからはすぐ眠れた。
いつも通り
狭いベッドで
足絡まって
腕も互いの
体の上に乗ったり下に敷かれてたり、
顔すら
ちょっと乗っけて。
安眠した。
時々、
どんなに一緒にいたいと願っても
あと60年ぐらいの間しか
一緒にいられないんだなと
思うことがある。
一緒に生きていられる時間を、
とても愛しているんだと思う。