あいたい赤根指 日之暮去者 為便乎無三 千遍嘆而 戀乍曽居 あかねさす日の暮れゆけばすべをなみ 千(ち)たび嘆きて、恋ひつつぞ居る 黄昏時になるとあかねの色に心は染まります。 逢いたくて 逢いたくて・・ 千のため息 万のため息・・・ やがて・・・ つるべ落としの日は落ちて 早、夕闇が広がります。 金色の光の粒は既に散り 月のない空は暗い祠のよう それでも目を凝らせば山の端の稜線のみが 朱とも紫ともつかない色に滲んでいて それはひそやかなの秋の残照 「万葉集第12巻」