『おッ…お母さんっ
私ッ・・・陣痛なのぉーッ』
『ぇえーーッ?!(οдО;)』
母セツコは…鬼巳のすぐ上の

姉である三女姉に電話すると

『放っておけないね』と言われ

困惑しつつ…鬼巳が、もがいてるのを見て病院に電話しだしだした。2軒の病院に断られ3軒目の病院が受け入れると話が着いた。


セツコはタクシーを呼んだ。


『お母さんッ苦しい出そう』

すると、突然に電話が鳴り

『おトイレ行って

反対に向いて座っといでっ』


セツコは、早口で鬼巳に指示を 出し電話に出ると、、、

『あっ!菅原さーん

鬼ぃい巳が、大変で

八事日赤へ来てほしいのッ』

と伝え電話を切った。

鬼巳が『お母さーんっ

プァカって熱いのが

出てきたぁーっ。

死んじゃぁーうっ』と言うと

『死ねせんわっ破水したの。

 菅原さんから電話あった

でね。』と鬼巳を安心させる

かの様に言った。


4人の娘を産んだセツコの

毅然とした言い方だった…。


鬼巳は、絶句した!

日曜日に電話してきた事が
一度もなかった清だからだ…。

迎えのタクシーが来て乗り込 

むと母セツコは『菅原さん

来るで安心しやーよ。』と

鬼巳の左肩に手を回した。


名古屋市昭和区の八事日赤に到着すると車椅子が

用意されエレベーターで

直ぐに分娩室の台へ

即された。

あれよあれよ言う間に

看護婦さんが一言
『頭が見えてるね~ッ』

時間は…20時半だった。

荒立たしくバタバタと

準備されると、、、


『赤ちゃんの心音だよ。

聞こえる?』と看護婦さんが

呼吸法も力むタイミングも

指示されて、21時12分

赤ちゃんの鳴き声が聞こえた


約40分で出産を終えたのだ。
母体だと誰にも知らせず
普通に身体を動かして
いたからだろうかと思った。

無事に出産が出来た。



赤ちゃんは女の子だった。
すぐには抱かせてもらえなかった、、、。

約2時間、身体を休ます為か

眠りについてしまった。


気づいた時にはベッドの移動する

音で、目を覚ますと廊下の

天井の視界を横にすると

三女姉が鬼巳を覗きこんでるのが見えた。


広いフロアまで招かれると

身内が、姉夫婦の二組の

仕事を切り上げたの旦那さんと出張先から飛んで来た昌江の旦那さん

昌江は、妊娠3ヶ月だった。


三女姉の昌江が鬼巳に

『あんた私より先に、、、。』と

笑い涙ぐみながら言うと

『チョビレちゃんに似て

色の白い赤ちゃんだよ。

あんたッ。誰にも言わずに

バカだけど、一人で

頑張ったねェおめでとぉ』と

言ってくれたのだ。


希美が、抱っこした時に

左目だけ閉じていて

妊婦健診を受けていないから

気にしていて『赤ちゃんの

左目、、、大丈夫ぅ?』

昌江が『ちゃんと開いて

たよぉ』と笑顔で教えてくれ

て安心した希美だった。


芙美子が『鬼巳ちゃんッ。

気づいあげれなくて

御免ねぇえっ』と号泣しだし昌江が宥めてくれた。


次女姉の恵美が仕事が終わり遅れて駆け付けてくれたところへ、足音が近づいてきて

恵美が様子を見てくると

『菅原さん…ですか?』と

訊ねると、、、。

『はいッ。菅原です。』


希美は『マジでぇッ?!』と

思わず言ってしまった。


すると、母のセツコが

『希美ちゃん。菅原さん

来たがね。お母さん来るって言ったでしょッ。』と

微笑む様に話かけた。


清が、身内に歩み寄ると

『この度は、お騒がせ掛け

まして申し訳ありません

でした。』と頭を下げると

希美の身内に

『2人にさせて頂けますか?』と許しを得ると希美の身内から死角になる椅子に清は

腰掛け気持ちを落ち着けた。


『どうして来たのよッ?

何で逃げなかったのよぉッ?

日曜に電話してきてぇッ』

小声で訴えかけてくる希美の

手を両手で力強く握った清だった。そして『これからどうするんだ?』と希美に

問い掛けると、、、。

『頭…坊主にして尼さんになる』との応えに清は

『ばか…子供はどうするんだ?』と希美の頬を撫でながら言うと、、、。


『そろそろ、お母さんを病室へ連れて行きます。』と

看護婦さんが希美の移動を

促してきたのだった。


『じゃ赤ちゃん見てくるね』

と、清は笑顔で希美に言い

『ゆっくり おやすみぃ』と言った。

『うん。ありがとう』

病室は、就寝時で薄暗いまま
6人部屋の窓側の一角の

カーテンに希美は仕切られた

ベッドに潜り身体を休めるた

暫く天井を見上げていると

『起きてる?』と小声で昌江

が入って来た。希美は昌江に『皆は?』と訊ねると

芙美子長女夫婦は、帰り。

母と恵美は清が送ったと

話してくれたのだった。

そして、、、

『あんたッお腹触らせて言った時、必死で抵抗してたの

思い出したッ。何でも話してくれると思ってたのに、、、

アンタはアンタで必死だったんだねぇ』と言うと

『あのさぁ。菅原さん

大丈夫って言ッてたけど・・・』

『なッ何が大丈夫なのん?』

と、希美が慌て訊いたら
母セツコが、菅原の結婚の有無の確認で大丈夫かとの尋ね
『それは大丈夫です』と

答えたそうだ!!


『まぁちゃん・・・誰にも

言わないって約束してくれる?』と、希美が言うと

昌江が『あんたが守りたかった男だで誰にも言わんよ』


希美の『絶対?』に絶対で

昌江は応え清が妻子持ちだと

告白したのだった。

すると『あの人が白状するまで、お姉ちゃん黙っとるで

安心しや。よく、言えたね

嬉しかったよ』と微笑み

昌江は、鼻をすすりながら

カーテンを開き閉じて旦那の元へ行ったのだった。


翌日、仕事を終えた母が

着替えや恵美からの手紙を

持ってきてくれた。

開口一番に『菅原さん凄いね!日曜日は来た事ない人

なのに電話をしてきてね』


一瞬、母が感づいてるのかと

希美は思いつつ平静では

いられない気持ちで

『ほん…とだねぇ・・・』と

応えると『お見合い断って

良かったがね』と、母の言動

に、希美は『・・・・』


夜になると清が現れた!!


ゾンビの様な歩きの希美と

清は病室から出てフロアへ

行った。

希美は、昌江から訊いた話を

喉元まできて抑えていた。

清が、話出したのは希美の

様態の事と呑気なのか

『昨夜はココへ来るのに…

八事は分かるけど病院がさ…』

話していると『私が何回も別れてっ言ってた意味が

解ったでしょッ?』

清の話を畳み掛けるように

希美は呆れ顔で言うと

『別れて、どうする気

だったんだ?』

希美は、妊娠に気づき告白し

清の悲しむ顔を見たくなく

生命保険に入ってオートバイで上手く事故して死ねると

思ったら陣痛で落胆し母親を頼ってる最中に清から電話が

がと打ち明けると・・


『バカな事をっ。

お前を女一人で育てた

お母さんは

どうなるんだ?

姉さん達だって…一番下で
可愛い妹だと何回も言ってたぞ』

『バカって…そんな事・・・』 

声を堪えながら泣き出した

希美を清は抱き寄せ肩から

腕を撫でながら『子供はまだ

一緒じゃないのか?』と娘の事を気にすると『うん…まだ みたい。助産婦さんがねぇ

私の子で、100人目で御祝い

したんだってぇ。

婦長さんからは、叱られたよ
一度も診せないで…女性として
貴女は最低ですって汗』と

清に話すと清は

『普通は、母子手帖が出て健診にお金かけて行くからなぁ


希美は奥さんに打ち明けたのかも気になっていたが

それも抑えていた、、、。


『明日ぁ…病院側から
呼ばれてるから、今夜は行くよ』

額に軽く口づけて希美を病室まで送り清は帰って行った。


恵美からの手紙を読んで

泣きじゃくりたい気持ちを

抑えながら泣いた。

恵美は、彼氏との間に出来た
子供を中絶した事。希美の
行動が理解できないけど
応援すると書いてあった。

そして・・・
菅原家も含め両親の
ご先祖様に無事に出産でき
命ある事を感謝し重ねて
母と姉や義兄たち・・・
逃げなかった清にも感謝し
眠りについた・・・。

翌日の午前中…

希美は、まだ母乳を直接

与える事が出来ず説明もなく
哺乳瓶に搾乳していた…。

前日は、数滴ずつだったが

シュッシュッと貯める事が出来た。

そんな様子を扉の窓枠から
清が見てるのに気づいた!!

『清っ。他の妊婦さん

居たら捕まるよっ』

希美の叱咤に

清は『はははっ』と空笑いを

して、2人してボールの

椅子に座って会話しだした。


『お母さんも来るんだってね』
『審議みたいなもんだな…』

『何、話すんだろねぇ?』

『こんな事態は

初めてだからなぁ、、、

希美は余計な事を考えず

歩いて回復してなさい。
早めに昼食べて来るから』と

笑顔で希美に言ったが心境は

どうなんだろう?と想い

ながら、希美も笑顔で

『うん。分かった…有難う』

と、言って部屋に戻った。


15時頃…昌江が病室に来た

『チョビレちゃん。菅原さん自分から白状したよ。

婦長さんが、開口一番に
無責任なって顔引きつらせて

お母さんは、テーブルに

項垂れて小さく泣いてた。

菅原さん、土下座して…

婦長さんがね。娘さんが

育てる意志があるか尋ねますって言って。菅原さんに

お帰り願って気丈な

婦長さんだにぃ』と話して

くれたのである。


『だって私…女性として

最低って言われたもん、、、』

希美は、半べそに言うと

昌江が『人間として最低じゃないじゃん。まだいいがねぇ落ち込んでかん』と妹を

勇気づけた昌江であったが

希美は『人間って、、、

紙一重じゃん、、、。

まぁーちゃーんっ』と

当時の赤ちゃんに対しての

残虐な報道を思い出し

昌江に抱きついたのだった。


昌江が希美に
『これからケースワーカーを交えて

アンタの意志を訊きたいそうだから泣いとる場合じゃないよッ』と、勇気づけた。


希美が『お母さんは?』に
『フロアで落ち着けてるよ』

と、昌江が応えて2人で

とある一室で、婦長さん

ケースワーカー,母のセツコと

三女の昌江そして

鬼巳が揃った…。
子供を施設に預けるか

里親に出すかの話が

いきなり出て、希美は驚き

を隠せなかった。


希美が、この先…

女性として母親として

育てていけないと

頭ごなしに語られている

途中で

『私が育てていきますっ』


言われっぱなしの希美が

意を決して婦長に

うったえると頭ごなしに

婦長さんは

『母親に成る覚悟もないのに
育てていけるんですかッ?』
厳しい口調で鬼巳に食いかかった。
『こ…これから成るんです。
あの子の母親に成るんです』

意地でも婦長に対する対抗心でもなく、今ある意志を

うったえる。


『私の孫ですショック!私の命懸けても
娘と守りますぅッ雷
小柄な身体から絞り出た

母セツコの大きな意志の声だった…。


『姉として…妹は馬鹿ですが
芯の強いとこはあります。
妹に何かあったら協力します。
姉達も同じ想いで、鬼巳の姉の代表で私が今日ココに来ました…。

妹、母、私達の気持ちを汲み取って頂けないでしょうか?』

と、昌江は冷静に婦長さんに

懇願したのだった…。

『希美サンは部屋へ戻って下さい』と希美は、婦長さんに指図されたまま一礼して

セツコと三女姉の昌江に対し

御礼を伝え部屋に戻った…。

『チョビレちゃ~ん』

昌江が笑顔でカーテンを開け

『どうなったぁッ?』
『あの気の強そうな婦長さんがね。皆さんの心に打たれたって涙ぐみながら言ってたよ

。ケースワーカーさんも、お母さんも私も女4人で涙と鼻水だに。

キツく言ったのは…アンタの

強い意志を聞きたかったからと熱くなったと照れ笑いしてたよ。』と昌江が泣き笑いしながら熱弁を振るった。

『ほッ…ほいで…どーなったの?』
『あッもう行かなかん
ヒロ(旦那)が迎えに来るで

じゃあね。お疲れっ』


結果を言わずに去って行った。

オッパイが張って搾乳室へ行くと
授乳室へ呼ばれたのだった。

赤ちゃんを抱いた看護婦さんが出迎え『小枝さん…いっぱい

お乳あげてねぇ(*^^*)』と

希美の赤ちゃんを差し出した…


勝手に涙が溢れ出た、、、。

出産して4日ぶりの親子の

ご対面であった、、、。


『順調に体重増えてますよ
お母さん…お乳出てるのに

小枝さんBabyごめんねぇ』


すでに鼻息を荒くして必死に
吸っていた…。下腹が痛いと話すと子宮の収縮に関係してる

と教わった。暫く対面が出来なかったのは、育てる意志を確認しないまま愛情や情が湧き安易な行く末になるのを警戒したからと希美は悟った。


だから…出産直後に自分が頼む迄、抱かせてもらえなかったのだと。

『お母さん…フーチャン、ケーチャン
マーチャン…御免なさい…ありがと』
小声で…そう呟いた…。

つづく・・・

お疲れ様でしたぁm(__)m
もうすぐ終盤です(^^ゞ

昨夜は撃沈な事がありましたが新聞の未年の運勢を教えてもら御陰様で元気が出ました。


今にいたります(*^^*)y

ご心配おかけ致しましたm(__)m

ご拝読を誠にVeryVery
ありがとうございますドキドキ(-人-)