清自身がマイペースで
走りたいんじゃないかと
呆気にとられた鬼巳だったが
あの馬力で大人しく走れとは
無理な話で一般道より事故確率は
少ないだろなと鬼巳は思った。
豊田インター出口付近のゼブラゾーンで
清を発見すると、すぐ追いつかれ
名古屋インター迄つるんで走行した。

高速料金所で発行券を係に渡すと
『でっかいバイクの人から
貰ってあるよ』と、先払いとは
粋な事する男だと感心した鬼巳に
係から『お気をつけてぇ』との
お心遣いを照れくさず元気に
『ありがとう』と言い、気分良く
街中へ走りだした…。

信号待ちで2人は並び
『清ぃ ありがとう気まぐれ日記-kao_1.gif
『ああニコニコどう?怖かったかぁ?』
『トラックの風圧でビビったけど
大丈夫だったよ(*^^)v』
『何事も経験だからなぁニコニコ
それと僕の後を着いてきてねニコニコ
『うん♪わかったニコニコ

名古屋市の東西を伸びる
環状線の広小路通りを西へ進み
とある建物のビニールのカーテンの中へ
清が入ると、その後に続いて
鬼巳も入ってしまった。

エンジンを切り
へルメットのシールドを上げて
『な長音記号1!?清ッ…
バイクで突入は前代未聞だよニコニコ
と、言いながらグローブとメットを脱ぎ
清の傍へ歩み寄った…。

『ハハハッニコニコ昨夜の続きで僕の番にひひ
『僕の番(¨)>?』
『そう音符たっぷりね(にひひチョキ
『あはニコニコひとり探検隊?』
『そう音符隊長だなニコニコ鬼巳は…
ボキャブラリーに富んでて楽しいわ』
『よく言われるぅ長音記号1にひひ

自動ドアの中へ入ると
目当ての部屋が準備中だった。
先客も待機フロアに居て繁盛してる
と2人で感心してしまった。
『ネェ2人してメット持ッて可笑しい』
『信じないと思うケド初めてダヨ』
何故か…小声での会話だった。
暫らくして、先客のカップルより
先に準備が整ったと呼ばれ
目当ての部屋へ…。

ベッドの頭上に設けられた
有線放送の選曲を
ブラックコンテンポラリーに合わせてから
お風呂のお湯を出しに行き
その後でインスタントコーヒーの仕度した。
清と来るようになって出来た
鬼巳の行動パターンだ…。

壁ぎわの木の長椅子に並んで座り
違う銘柄の煙草の煙りを
部屋に漂わせ暫し無言の2人…。

『この曲 好きぃラブラブ!
Just the two of us音符ってね…
清って…どんな曲が好きなの?』
『小椋 佳 知ってる?』
『俺たちの旅だよねぇ?』と
鬼巳が確かめると清が口ずさんだ
『清の声ね大好き耳に和むもん』
『よく言われるぅ長音記号1
『あれ!?どっかで聞いたなぁ』
『さっき下で鬼巳が言ったがネェ』
『嗚呼あせるそうだ言ったわガーン

浴槽のお湯張りの音が
静まってる事に気づいた清が
『お風呂 一緒に入ろっか?にひひ
と満面な笑みで言うと、即答で
断られ思いきり肩を落とした…。
『私 先に入ってくるわねぇ
絶対に来ちゃだめだよぉっニコニコ

鬼巳が風呂から上がり
清が続けて淋しそうに入って
行った。鬼巳は照明を落として
薄明かりの中で清を待っていた。
シャワーの音が止まりドアの音…
白いガウンを着た清に
質問をしてみる事にした。

『ねぇ清…こっちに来てぇ
聞きたいことがあるの・・・』
清は鬼巳が腰掛けている
足元に膝を落として
『どうしたんだ?あらたまって』
『前から気になってたんだけど…
ひょっとして…結婚してる?』
清は、目を閉じて黙っていた。
『本当の事を言って 私の気持ち
変わらないから…してるのん?』

コクンと無言で頷き返事をした。

鬼巳は声を出さず泣きながら
膝まづいた清を抱きしめ
髪や背中を撫でながら

『正直に話してくれて
ありがとう…愛してるよ』
と、瞼に気まぐれ日記-1010975_800-101.gifした…。
 
つづく・・・
 
 
お疲れ様でしたぁm(__)m
ご拝読を誠にVery
ありがとうございます気まぐれ日記-100ハート5.gif(-人-)