歌というものは普通、声量と情感たっぷりに歌い上げるほうがいいに決まっている。
ところが、ごくまれにだがヘタッピなほうが、様になる奇妙な曲も存在する。
それが、おニャン子クラブのデビュー曲で、代表曲である「セーラー服を脱がさないで」。
内容のしょうもなさは、どうしようもない。秋元康先生、しっかりしてくださいよ。
当時芸能を担当していた、古舘伊知郎アナは「芸能界の白痴集団」と酷評していた。
まずは、おニャン子クラブの元歌。
http://www.youtube.com/watch?v=aLKPKzt-YRM&feature=related
それを、モーニング娘。が歌うとどうなるか。
http://www.youtube.com/watch?v=98KlnTPKczI
あかん、これは芸術になってしまっている。練習しすぎだ。
続いて、AKB48
http://www.dailymotion.com/video/xbv51a_akb48yyyyyyyyyyyyyy_shortfilms
微妙に声や振りが合ってないところが、この歌としてはいいかなと。
ちょい品が良すぎるけどね。
こんなもん、適当に練習して歌う、鼻歌宴会ソングみたいなもんだ。
アイドリング!!!版
http://www.youtube.com/watch?v=0LJ4HkpTvZ0&feature=related
これはAKBよりそれっぽくなっている。この程度のクオリティでないといかん。
ところで歌詞にある「週刊誌みたいなH」というのは、当時人気絶頂だった爆笑王・萩本欽一さん率いる、欽ちゃんファミリーのアイドル、高部知子さん(当時15歳)が、写真週刊誌「フォーカス」にベッドでタバコを吸っている写真が、掲載された1983年の「ニャンニャン写真事件」のことを揶揄しています。
未成年でタバコを吸い、アイドルなのにHをしたと思わせる投稿写真で、近年の加護亜依さんの未成年喫煙&温泉旅行解雇事件と同等か、それ以上の騒動になった。
欽ちゃんは下ネタで笑わせることを非常に嫌う芸人で、主婦、お年寄りといったお茶の間の人気も高かった。
それゆえ、「ニャンニャン事件」の影響も大きかった。
当時のフジテレビは、ドリフターズに代わる、新しいお笑いの確立を目指していて、「THE MANZAI」で横山やすしさん・西川きよしさんを頂点とする漫才ブームを作り出し、「オレたちひょうきん族」でビートたけしさん、明石家さんまさん、島田紳助さん、片岡鶴太郎さんらが一気にブレイクしてきた。「笑っていいとも!」ではタモリさんがブレイクした。
そのフジテレビにとって、超えなければならない、最後の高峰が欽ちゃんだった。
見方によっては、おニャン子を産んだ「夕焼けニャンニャン」という番組は、欽ちゃんに対する刺客のような番組だったかもしれない。
月曜から金曜まで、毎日、「セーラー服を脱がさないで」とやられるわけだから。
事実、おニャン子が解散する80年代終わりには、欽ちゃんのレギュラーはほとんどなくなってしまっていた。
90年代は、フジ横澤彪プロデューサーが育てた、たけし、さんま、紳助、タモリの時代になり、今日にいたっている。