たちは、わざとお兄ちゃんがついてこれるスピードで田んぼを横切り、畑突っ切って逃げていきます。そのあとを、息を切らしながら必死で追いかけていくお兄ちゃん

山道に入って程なく、3匹の猿の内の一匹が、木の上でお兄ちゃんを待ちかまえていました。その木の枝に奪われた携帯電話が着メロを奏でながら揺れています。

 

 

「何かこれ、音が鳴っているみたいだけど。聴こえないなぁ~。」

 

 

お兄ちゃん、木切れで携帯を取ろうとしますが<チョコっと>届きません。
猿はしばらくその様子を見ていましたが、「バイビー。」と言い、今までとは違う速度で山の方へ跳んで行きました。

 

 

さて、一人残された妹は、橋の欄干のところにしゃがみこんでお兄ちゃんを待っていました。しかしお兄ちゃんは、10分、20分経っても戻ってきません。不安がこみ上げてきます。
妹は、先ほどもらったチョコを一片パリっと割って口に入れました。そして泣きべそをかきながらも、うんと大きくうなずくのでした。