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父は地図を見るのが好きだった。
 
道はよく知ってるし、
 
出張という名の旅行にもあちこち行っていた。
 
U-CANで日本大地図を売り出した時、父に
 
「地図欲しかったら買ってあげるよ。」と言うと
 
「欲しい!!」と喜びに満ちた顔をしていたので、買ってあげた。
 
買ってあげた後、地図をいつも眺めてたと母が言っていた。
 
 
 
 
十年くらい前、母が姉夫婦と一緒に北海道に行くというので
 
我が家で認知症の父を預かっていた。
 
長男が父にぴったりとくっついて見張っていた。
 
母が北海道から帰ってきて、夫が空港に迎えに行き
 
母は我が家に一泊して
 
帰る日の朝、
 
父が
 
「散歩してくる」と言った。
 
「ダメよ!散歩なんてしたら迷子になるよ。」と言うと
 
「大丈夫だよ。家の周りをぐるっと回ってくるだけだから。」と言った。
 
長男はみんながいるからと、油断してぴったりくっついてみているのをやめていたし、
 
母も
 
「じゃあ、一周だけよ。」なんて言って父を散歩に行かせた。
 
父は帰ってこなかった。ガーン
 
警察にも行って届を出して
 
防災放送もしてもらった。
 
警察の人に
 
「出身地はどちらですか?」と聞かれた。
 
なぜか、出身地に帰ろうとする認知症の人が多いんですと。
 
母が
 
「出身地は北海道ですけど。行かれませんよね?」と言うと警察の人は
 
「いや、九州に行った人もいるんですよ。どうやって行ったかは謎なんですけどね。」と言っていたっけ。
 
 
父がいなくなった翌日は私、楽しみにしてた玉ちゃんのお芝居を帝国劇場へ見に行く予定だったの。
 
父がいなくなって、大雨が降ってきて
 
「じいちゃんどこにいるんだろ…寒くないかな?」えーん
とビービー泣きながら言っていたら
 
母が
 
「泣いたって、おとうさんは帰ってこないわよ!!」プンプンと怒っていたの。
 
翌日になっても見つからなかった父。
 
お芝居どうしよう…お友達になんて言おう・・・
 
と思っていたら、母が
 
「お芝居を観に行ってらっしゃい。あんたがいたからって、お父さんが見つかるわけじゃないんだから。」
 
と言った後、
 
「Aちゃん(夫)、もしかしてお父さん家に帰ってるかもしれないから、家まで送ってくれる?」と言って
 
母は家まで送ってもらうので私は駅で降りてバイバイした。
 
泣きそうになりながら、駅の階段を上がっていると
 
弟から
 
「じーさん帰って来たヨ!」と電話が。
 
涙があふれた。笑い泣き
 
母にも連絡したら
 
「ああよかった。27時間さまよったんだね。27時間テレビだな~。」なんて言ってたっけ。(笑)
 
泣いている私の所に、駅で待ち合わせしたお友達が来て
 
事情を話したら
 
「大変だね。うちの母も認知症なの。でもね、母は歩けないからその点はよかったのかな。」と言っていた。
 
父は元気だし、油断するとすぐにいなくなるから
 
母は付きっ切りで大変だったと思う。
 
そのせいでガンになったとも言ってたなぁ。滝汗
 
 
母が断捨離してて私が父に買ってあげた地図を捨てるというのでもらってきた。
 
だってね、2万円ぐらいしたんだもん。
 
私も地図を見るとするか~。
 
行ったことある場所とか、
 
前に住んでいた所とか、
 
行きたい場所とか、
 
次男の住んでるところとか、
 
地図を見て
 
楽しもう~と思ったんだ~。デレデレ