なぜ!

なんで!

俺が観る映画は、こんなに異常なものばかりなの。

本当に何なんだ、この映画・・・。

珍品、珍作、異常作で間違いありません。

 

ニコラス刑事(ケイジ)がサーフィンをしようとすると全然させてもらえず、延々いじめられる。

確かにそう聞きました。

それで興味を持ちました。

観てみたらなんと!

そのまんま、と言うか、本当にそれだけの映画とは。

そんな馬鹿な。

 

息子と一緒(強制的に学校をさぼらせた)に、サーフィンが出来る海にやって来たニコラス。

ここは彼にとって、かつて実家のあった思い出の場所。

その実家を買い戻し、自分の家族とそこに住み、息子に存分にサーフィンをさせてやりたい。

そんな勝手な夢を見たニコラス(でも息子は学校に行きたい)。

 

ところが、今はそこを野蛮な連中が支配し、よそ者を暴力によって締め出している。

ニコラスもサーフィンをさせてもらえなかった!

納得できないニコラスは諦めず、どうにかサーフィンをしようとそこに留まるが・・・。

 

出だしは以上です。

以降はただひたすら、ニコラス刑事がみじめになっていくのみ。

ボッコボコにされ、持ち物をどんどん奪われ、家族にも見放され、ただのホームレス状態になっていく。

確かに彼の行動による結果であり、責任の多くは彼自身にあるのですが。

あまりにも酷い!

 

ただ、なんか彼の状況を見ていると他人と思えないと言うか。

彼がみじめで無様になっていき、周りの人間に嘲笑われる状況を見ていると、まるで自分の様に感じてしまい、いたたまれない気持ちになってしまうのです。

運にも見放され、周りの人間からも見放され、自分自身にすら見放されてしまった、未来の見えない人間。

それって俺じゃないか?

もう、俺にはこれからも何も無いけど、せめて彼には何かしらの救いを与えてやってくれないか!

そんな風に考えてしまうほどでした。

 

いや、そんなに深刻な映画なわけじゃないのです。

多分、コメディとしてやっている。

演出も、おそらくこういう復讐映画のパロディになっているのでしょう。

だから、こちらの予想をあえてスカした展開にしていたりする。

それは分かるのですが・・・。

あまりにやり過ぎなのです。

いくらニコラス刑事だからって!

 

そもそも、ニコラス刑事ありきの映画なのでしょう。

彼だからこそ、このパロディが活きてくるわけです。

過去にそういうジャンル映画に出ていて、みんなが知っていて、今ならどんな映画にでも出てくれる役者。

彼しかいないじゃないですか?

 

監督は後で知りましたが、「ビバリウム」「ノセボ」のロルカン・フィネガン。

どちらも観ていて、結構好きな映画です。

これを知っていたら、やっぱり絶対にこの映画を観ていたでしょうね。

この作品から逃げる術は封じられていたわけだ。

過去作のどちらもSFやホラーで、本作とは全然違います。

でも、非常にブラックなコメディ要素はどちらにもありましたから。

今回はそこに1点集中したわけです。

 

終盤の展開についてはここに書きませんが。

なんだそりゃ。

一体何、どんな映画なんだ。

観終わった瞬間、一番この映画のことを理解出来なくなりました。

 

誰か!オーイ誰か来てくれないか。

ここにこんな映画が落ちていたけど、持ち主に返してやってくれないか!

(wowowで視聴しました。まだ他では観られないかも?)