マイナビより

銀行では、支店単位で残高を管理

銀行の営業時間については、銀行法施行規則で「銀行の営業時間は、午前九時から午後三時までとする」としているのが、3時閉店の根拠の1つ。そして、閉店後はその日あったお金の出入りを確認する作業をしています。

銀行では、支店単位で残高を管理しています。


3時に支店を閉めたあと、現金を抜いて集め、金庫に入れる、という流れ。


窓口でお金を出し入れする際には、顧客や窓口の職員が書く伝票を使うため、閉店後、実際にある現金と伝票の内容が合っているかどうかを照合する必要があります。照合して計算が合ったら、伝票を箱に詰めて保管します。


支店の規模にもよりますが、伝票は毎日何百枚もあるので、この作業にはある程度時間がかかります。よく「1円でも合わないと帰れない」と言われますが、これは大げさではなく事実。ただ実際には、1円というより、例えば伝票1枚といったレベルだそうですが。


珠恵も金融機関勤務のお気楽OLでした。



お金の出し入れのときって、なんであんなになにもしゃべらずにもくもくと作業するのかなっていつも思ってました。数えながらやっているからなんですね。しゃべりかけたら、返答はかえってこず、いち、に、さん、し~とか、お金数えてますって態度で答えるひとがいてたわ。

金庫にあるお金って、ちょっと積み上げたら、5~8億円くらい。サラリーマンの生涯稼ぎは1億といわれているから、その何倍にもなるんだね。

「これで5~8億円か。高さや幅は大したことないなっ」てそのときは思っていました。自分のお金じゃないし。でも、そのお金で泣き笑いをする人のなんと多いことかと。


お金に縛られない生き方をしたいと新卒のころから思っていましたね。


入職してはじめて、銀行の広報誌をぱらぱらとめくったときに、先輩職員の体験談みたいなのが、載っていました。

蔵の財よりも身の財、身の財よりも心の財が大事っていうことを書いている人がいて、なるほど、と思った珠恵です。心根のよさをつちかっていくことは、財産にましてとても大事なこと。



伝票が一円でも合わないと必死になって探しました。もう一回、二回と再度計算したり。

自分が原因だったっていうことがわかると、赤面。上司とつれだっていろんな部署にあやまりに行きます。珠恵は働いているときに一度だけやっちゃいましたね。本当のイージーミスなんだけど、上司も再度のチェックも通りぬけてしまっていたので、ふたりの連帯責任になるんですよね。


珠恵なんてその後、異動になって、そんな作業はしない部署になりました。

OLってお気楽だったけど、長いこと働く職場でもないと思いました。だからキャリア転換したわけだけど。


とにかく、銀行って3時に閉まるけど、それからが勝負なのよね。定時に帰ったことなんてなかった。

出入りのお金が多ければ多いほど、伝票もたくさんになるわけだから、その分作業も増える。月末は11時になったこともあるわ。本当にずーっと伝票見て計算するだけだから、とっても疲れたのは今でも覚えているわ。

その後、専門職になったとき、報告書作成で11時とか自分で残業すると決めて残るのとはわけがちがう。

1円が合うまで、エンドレス、の世界は怖いですね。