たまたま朝の五時にテレビをつけたら、

そこには、ゆったりとしたソファに両手を大きく広げてくつろぐ

宮本輝さんの姿が・・・・。


最初、

その姿をみたとき、



ちょっと、傲岸な印象をうけました。



私が今好きなエッセイストの方が、たまたま宮本輝さんのおうちに行ったとき、

一度も目をあわせてくれなかった、という

エッセイを書かれていたことを思い出し、


あまり宮本輝さんにいい印象はなかったんです・・・・。



でも、話を聞いているうちに、引き込まれていきました。


もう内容は忘れているんですが、


まずは、作家になる前の話で、

書いた本の最初の文章を、先輩の小説家からすべて消されたという話。

そして、「君は名文を書こうとしている。小説に名文はいらない」

いらないものは削って削って、取澄まされてくるって。


私はこのひとことにノックダウンです。


すべてを削っていったなかに珠玉のなにかをみつけることができる


今の私には、

よくばるな、よく考えて、取捨選択せよ、って聞こえてきた~


目からうろことはこのことでした。



結局、その文章はさておき、その小説を踏まえて、あたらしい小説を書いたら、、賞を受賞したんだそう。

で、前に最初の文章を削除した小説もまたちがう賞をとったんだって。




私は、Kちゃんという今ロスにいる親友から、「海岸列車」を勧められた。

おぼろげで、はかなげな情景にうれいを含んだ若い女性がいる小説。

その女性が不倫しそうになるんだけど、

人の不幸の上に自分の幸せは築いてはいけない、みたいなことばが

その女性をふみとどませる。

それでプラトニックラブでその恋は終わるのです。


(それと、業ということが、この小説の根幹をなしていたような。。。)



私はプラトニックラブが大好きです。

私は、プラトニックこそ究極の恋愛だと思うんです。

なぜそうおもうかっていうのは、またの機会に。

じゃんじゃん。



その回と、50歳になってからの情熱しか信じないってある人から言われて

それを自分なりに咀嚼していった回の話がよかったです。(たしかにソファに両手を広げてふんぞりかえっているみたいなんだけども。)


父を看取り、母を見取り、自分が人生の先頭におしあげられたような気がした、といわれていた。

そんな状況で、阪神大震災に被災される。


自宅の書斎にいたら、死んでいたって。

壁にしゅりけんのように書斎に面した窓ガラスがつきささっていたって。


一度死んだものと思って、シルクロードの旅に出られたって。

興味があったお坊さんの歩いた道をたどるたびだったそうな。

それは過酷なたびだったようで。


びっくりしたのが、オアシスはくさくて、きたなくて、こわいところで、

オアシスからでるとほっとするって。


いった人でしかわからないことがあるんですな。

一見は百聞にしかず


宮本輝さんって

そうやって、自分の中で自分を律し、

自分との対話の中で小説をかかれているんだな~って。

ちょっと、宮本輝さんに歩み寄れた感じです。



テルニストって、ファンクラブのことかしらん?



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