2015年がなんだったのかと思うような、今年は豊作な1年です。上半期の10本だけで、もう1年分の評価できる作品数がそろってしまいました。ありがたいことです。
是枝監督の新作は端々が素晴らしい。「空気人形」以来の傑作。ヘインズ監督の新作はスクリーンで何度観てもため息がでる美しさだった。橋口監督の新作は縛りのある中で流石と思える唸る一本だし、パトリシオ・グスマン監督は久々にあらわれた天才映像作家と呼べるドキュメンタリー監督だ。
ギルロイ監督の作品は文句なく面白いし、ヒメアノ~ルは一般客層を無視して作り上げられた主題にしか向き合っていないとんでもない作品だ。
スピルバーグ監督の新作は良質という言葉では片付けられない、今がハリウッドシステムとの親和性でいえば、キャリアの頂点にいるんじゃないかと思えるほどの完成度。新鋭アブラハムソン監督の作品は鋭く、イニャリトゥ監督の新作はすべてが凄過ぎて誰も足元に及ばない域に達している。最後の1本、新世紀のATG作品と言って過言でない富永監督の新作は、嬉しくてわたしゃ二ヤニヤしちゃいました。
惜しくも10本に選出されなかった作品の中にも素晴らしい作品は2~3本あった。今年は下半期次第では本当に例にないほどの当たり年になるかも。2016年のたま賞はこの上半期のベスト10と下半期のベスト10の中から選考されます。さあ、下半期も括目せよ!
『海よりもまだ深く』 (是枝裕和監督)―日本
『キャロル』 (トッド・ヘインズ監督)―イギリス=アメリカ=フランス
『恋人たち』 (橋口亮輔監督)―日本
『真珠のボタン』 (パトリシオ・グスマン監督)―フランス=チリ=スペイン
『ナイトクローラー』 (ダン・ギルロイ監督)―アメリカ
『ヒメアノ~ル』 (吉田恵輔監督)―日本
『ブリッジ・オブ・スパイ』 (スティーヴン・スピルバーグ監督)―アメリカ
『ルーム』 (レニー・アブラハムソン監督)―アメリカ
『レヴェナント:蘇えりし者』 (アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)―アメリカ
『ローリング』 (冨永昌敬監督)―日本
*注 作品の並びは50音順になります。
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映画ベスト10。(2015年度下半期版)
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-12114384908.html
映画ベスト10。(2015年度上半期版)
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-12071480572.html
映画ベスト10。(2014年度下半期版)
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-11974269361.html
映画ベスト10。(2014年度上半期版)
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-11933313765.html
映画ベスト10。(2013年度下半期版)
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-11745727327.html
映画ベスト10。(2013年度上半期版)
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-11606755136.html
映画ベスト10。(2012年度下半期版)
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-11450908492.html
映画ベスト10。(2012年度上半期版)