大阪商法会議所からの帰りに寄った晴花亭で、新次郎はほっこりとビールを飲んでいた。
「えらい機嫌がよろしおますな」
女主人の美和が酌をしながら聞いてきた。
「そうだすか?」
「へぇ、巾着をえらい勢いで回してきはりましたさかい」
そう言われると、ふふっ……と艶っぽい微笑みで美和を見返した。
「なんや気になりますなぁ。(えらい色っぽいですこと)」
「まぁ、ええ事言うたらええ事だす」
もしや……、と美和が思ったところに、もしやの本人が現れた。
「新ちゃん!!」
大きな声に新次郎はビールを吹きそうになった。
「はぁ、びっくりした。五代様、もう皆はよろしおますのか?」
「ええ!貴方と榮三郎さんのお陰で…!ありがとうございました!」
五代はキラキラした笑顔で新次郎を見つめた。
「そら、よろしおました」
新次郎もほっとした様子で笑った。
「私も一杯頂いてよろしいですか?」
「どうぞ」
美和がそっと席を立つ。
新次郎は五代を席に促したが隣にドカッと座ってきた。
そして、ズイッと顔を新次郎に近付けてくる。
じっと新次郎の顔を見詰める五代。
「な、なんだすか?人の顔をじっと見て…」
「やはり貴方は素晴らしい!そして美しい!!」
「美しいて……」
「私は何よりあの一言が嬉しかった!!」
「あの一言?」
「はい!『ともちゃん』です!!」
はぁ?と、とぼけた顔で五代を見返す。
「あの一言で私と貴方が親密だと言う事が皆さんにも解って頂けたと思います」
「親密て…」
五代は声を低くして続けた。
「これで貴方に手を出そうとする大阪商人達の牽制になったかと思う」
「はぁ?牽制?」
「貴方は私のものです!!」
「私のものて、そない大きな声で……」
新次郎の顔が段々赤くなってくる。
五代はその赤くなってきた顔を見て、ぐっと新次郎の腕を掴み力強く引き寄せてゆく。
「ちょ、ちょっ、五代様、何をしますのや。ここは人目が……」
珍しく新次郎が焦る。
「人目が無いところだったら良いんですね?!」
「へぁ?」
新次郎の腕を持ったまま立たせると、ぐいぐいとその腕を引きながら二人は晴花亭を後にした。
「はぁ、薩摩男の若い頃は衆 道が割と普通やと聞いとりましたが、五代様もなぁ……。本命はあの方どしたか」
美和は一人呟いた。
終わり
エ ロシーンなくて、すみませーん
つか、皆玉元気ですか?
腐はこの二人の例のあのシーンを見て、やたら元気になりましたよ(笑)
いや~年明け早々良いもんみしてもらいましたがな
小説の中の船場言葉はテケトーなので突っ込みはなしでお願いします
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