ビルの省エネエキスパート検定

課目1 ビルの管理とエネルギーの基礎

試験を振り返ってみます。

 

問題1 法律の穴埋め問題 2点/5点
a. 「エネルギー政策基本法」は、我が国におけるエネルギー政策の基本的な方針を定めるものとして、2002年6月に選定された。


b. 2014年4月に策定された第四次エネルギー基本計画におけるエネルギー政策の「3E+S」とは、安全性を前提としたうえで、「エネルギーの安定供給」の確保を第一とし「経済効率性」の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に環境への適合を図ることである。


c. 2016年4月に策定されたエネルギー革新戦略は、エネルギー関連「投資」を促し、「強い経済」とCO2抑制の両立を実現するとしている。

 

5か所穴埋めでしたが、2問しかできませんでした。「経済効率性」「強い経済」が文脈から読み取れませんでした。

 

 

問題2 省エネ法穴埋め問題 5点/5点
まさにエネルギー管理者としての業務で使用している内容の穴埋めでしたので全問正解。

 

問題3 省エネ法 穴埋め問題 4点/5点
a.事業者のうち、原油換算で年間1500KL以上のエネルギーを使用する者は、届出により「特定事業者」に指定される。
「特定事業者」とすべきところを「第一種エネルギー特定事業所等」などと架空の名称に引っかかってしまいました。「第一種エネルギー管理指定工場等」と勘違いしてしまった。

 

問題4 エネルギーの定義 4点/5点
・石油、天然ガス、石炭などの化石エネルギー源と原子力及び再生可能エネルギーなどの非化石エネルギーがある。「非化石」が出てきませんでした。

 

問題5 エネルギー 単位 5点/5点
・省エネ法では熱量換算と原油換算が用いられる。
・エネルギー消費原単位は、エネルギー消費量をエネルギー消費と密接な関係を持つ値を除して算出する。

 

問題6 熱と蒸気 4点/5点
・断熱材は、材料自体の「熱伝導率」が小さいことと、「熱伝導率」が極めて小さい空気を含むことによって、熱を伝えにくくしている。
「熱伝導率」が読み取れず。「密度」を選んでしまった。ミス。

 

問題7 電気について  5点/5点
・単相、三相、直流、位相差など基本的な穴埋め問題。

 

問題8 電動機及びポンプ・送風機について  3点/5点
・交流電動機の回転速度は、周波数と極数によって決まるので、これを変えない限り定速である。
・負荷形態が「可変トルク」である場合、動力は回転速度の「3乗」に比例する。
・誘導電動機に供給する電力の周波数をインバーターにより50Hzから40Hzにした場合、ポンプの消費する動力は、理論上50Hzの場合より約50%削減される。


「3乗」で間違ったので50%削減も出てこず。回転速度は、40/50=0.8倍になります、この3乗ですので、0.8*0.8*0.8=0.512 よって約50%削減となる。

 

問題9からは、4つの文章で最も適切なものかまたは不適切なものを1つ選ぶ形式。4つの文章の正誤を求められる。間違えそうなポイントのみ載せる。

 

問題9  3点/3点
ビルのエネルギー使用割合について
・事務所では2分の1が空調用、3分の1が照明コンセント用、残り6分の1が衛生、動力エレベータ、エスカレータなどであり、給湯用エネルギーはほとんど消費されていない。

 

問題10  3点/3点
我が国のエネルギー消費動向
・この40年間の動向として、GDPの伸び率2.5倍に対してエネルギー消費の伸び率は1.3倍である。
・産業部門は、0.9倍だが、業務部門は2.5倍、家庭部門は2.0倍と増加の傾向有。

 

問題11  3点/3点
業務部門とは、事務所・ビル、デパート、卸小売業、飲食店、学校、ホテル・旅館、病院、劇場・娯楽場、その他サービス(福祉施設等)の9種類。
・ここ50年の動向、エネルギー源として電力の割合が50%と大幅上昇、夏期・冬期とその他の期間の差が増加傾向。
・業種別では、スーパー百貨店、病院、ホテルが消費量が大きい。
・ビルの機器別電気使用量は、全体では空調・照明のウエイト高い、昼夜の変動が大きい。

 

問題12  3点/3点
省エネ法 2013年の改定の電気需要の平準化対策について。
・7月1日から9月30日(夏期)及び12月1日から3月31日(冬期)の8時から22時(土日祝日を含む。)←この時間帯の電力を減らす取り組み。
・トップランナー制度、蓄電池や自家発電など

 

問題13  3点/3点
ビルのエネルギー管理体制について(略)

 

問題14  3点/3点
ISO15001について(略)

 

問題15 3点/3点
建築物の省エネ基準について(略)

 

問題16  3点/3点
エネルギー資源について
・石炭の可採年数はおよそ113年で石油や天然ガスと比較して長い。ただ大気汚染や地球温暖化防止の観点から問題視されている。

 

問題17  0点/3点  石油について電力転換の割合が多いか少ないかで減点
我が国のエネルギーの流れについて
・石油・・・電力転換の割合は全体的には少なく、そのほとんどが石油精製過程を経て、ガソリンや軽油などの輸送用燃料、灯油や重油など石油製品、石油化学原材料ナフサになる。
・石炭・・・電力転換及び製鉄に必要なコークス用原料炭への私用が大きな割合を占める。

 

問題18  3点/3点
エネルギーの基本的性質(略)

 

問題19  3点/3点
省エネ法(略)

 

問題20 3点/3点
熱の基本概念
・物質の温度変化のみに費やされる熱を「顕熱」、物質の温度は変化しないでその状態だけが変化するようなときに費やされる熱を「潜熱」という。
・打ち水は地面にまいた水が蒸発して気体になるときに地表面から気化熱を奪う。氷水を入れたコップの表面につく水滴は、空気中の水蒸気が凝縮して液体になったもの。その際に放出した凝縮熱が氷水を温めている。
・ある物質の温度が一定のとき、圧力が変化するとエンタルピーは変化する。

 

問題21  3点/3点
燃料と燃焼について(略)

 

問題22  3点/3点
燃料と燃焼について(略)

 

問題23  0点/3点
蒸気について 顕熱と潜熱を取り違えて減点
1.飽和蒸気
・飽和蒸気(乾き飽和蒸気)は、圧力と温度の関係が一定しており使用しやすく、潜熱加熱による素早い加熱が可能である。すなわち蒸気が凝縮して液体に戻る瞬間には保有している潜熱を放出するが、この放出する潜熱は、飽和蒸気の保有熱の70%以上に相当し、顕熱の2~5倍程度にもなる。
2.過熱蒸気
・飽和蒸気を更に加熱してできる過熱蒸気は、圧力が一定でも温度が一義的に定まらない等の理由から、加熱用途にあまり使用されず、主として動力用途に使用されていた。しかし直接加熱用の熱源としての「高温ガス体」として見た場合は、無酸素状態で加熱できる等の点で空気を加熱した熱風よりも優れている。また特に大気圧力で200-800℃位に昇温させた常圧の加熱蒸気は取扱いやすく近年の家庭用スチームオーブンにも使用されている。

 

問題24 3点/3点
電気について(略)

 

問題25 3点/3点
・ポンプ、ファン等は、負荷の形態としては「可変トルク」なので、動力は回転速度の3乗に比例する。

 

問題26 0点/3点
・ポンプの流量調整について
・流量は回転速度に比例するので、回転速度を調整することによって、比例して流量制御ができる。
・配管に設けたバルブを閉めると、バルブの抵抗のために揚程が増大し流量が減少し、それに伴いポンプの電動機の消費電力も減少する。
・流量制御を回転制御により行う場合と、バルブの開度調整により行う場合の動力の低減効果は等しくない
・実揚程が大きい系に対しては、回転速度制御方式は、送水圧不足となるおそれがあるが、台数制御方式は機器側の圧力の低下がないので適用しやすい。

 

問題27  3点/3点
・ヒートポンプ
・通常の吸収冷凍機は、真空に近い(1/100気圧以下)の容器の中で水を沸騰・蒸発させ、このときの気化熱で冷水を製造している。
・エアコンの効率を示す指標の一つであるAPFは、1年間を通した定められたパターンのもとで運転した時の、消費電力1kWあたりの冷房・暖房能力を表している。
・ヒートポンプの冷媒としては、「蒸気圧縮冷凍サイクル」においてはフロン類を、「吸収冷凍サイクルに置いては」水を用いるのが一般的である。

 

問題28  3点/3点
・省エネ法、パリ協定等の時事問題(略)

 

84点/100点 とまずまずの合格点。