魅惑のガラクタ箱~気まぐれ雑記帳

魅惑のガラクタ箱~気まぐれ雑記帳

「鉄道を利用した旅行記」と「模型工作」について気の向くままに駄文を書いています。

室堂平で山登り気分を味わった後は乗り物オタク大興奮の様々な乗り物を乗り継いで黒部湖(黒部ダム)に向かいます。

 

先ずは今年(2024年)で運行が終了してしまう立山トンネルトロリーバス。来年からは電気バスに置き替わるということで2024年11月30日がラストランになります。無軌条電車と記載があるように扱いは「バス」ではなく「電車」なんです。鉄道事業法に則って運用されているので日本最高所の「鉄道駅」という看板が掲げられています。鉄道と言ってもレールは敷設されていません。そのため運転はハンドル、アクセル、ブレーキを操作するわけでして法令上は電車でも運転方法はバスという何ともの複雑な関係の乗り物です。

乗車受付が完了したら改札から乗り場に案内されます。13:00の便に乗車しました。雄山の真下を立山トンネルで貫き大観峰まで運行しています。乗車時間は約10分。見た目は普通の路線バスに見えますが屋根に着いた2本のポールとその上に張られている架線が特徴です。

車内は1+2の座席配列で意外と通路部が広いです。乗降は基本的に中扉のみを使用しています。全区間がトンネルのため景色を眺めて楽しむ乗り物ではありません。

鉄オタ的には運用方法や電車的なモーター音に興味が湧くのです。写真はちょうど上下線の車両が行違うところ。上下線とも3台のトロリーバスが続行しています。トンネル自体はバス1台分の寸法しかありませんがこの区間だけ広いトンネルになっています。鉄道でいうところの分岐器のある列車交換設備といったところ。

着駅の大観峰。終端部はループ線になっておりバスはこのまま写真左方向に進み元の道に戻ります。因みに室堂側も同様の設備になっています。室堂側は直線状にバスが縦列していましたが、こちらはカーブ区間に停車しています。

バスを降りると係員が乗客を改札に誘導します。安全管理上このエリアは乗降が終わると無人となるのです。降車客を改札外に移動させたあと安全を確認し乗車客を入場させています。ここでのんびり記念撮影はできません。

 

大観峰は雄山を立山トンネルで貫いた先に位置し標高は2316mです。断崖絶壁に建っているため観光客が建物外に出られる構造になっていません。建物の屋上が展望デッキになっており後立山を見渡すこと出来ます。運行ダイヤの関係で展望デッキには行かずに直ぐにロープウェイに乗車します。13:20発の便を利用しました。

立山ロープウェイは大観峰から黒部平を結んでおり距離にして約1.7Km標高差488mで乗車時間は7分です。キャビン内に座席は殆ど無く広々としています。窓も大きいので景色を楽しむことができます。乗車時間も短く360度景色を楽しむことを考えたら合理的な構造です。出発時や停止時に大きな揺れがありますが運行時にはそれほど揺れを感じません。

出発してから後ろを振り返ると大観峰は確かに断崖絶壁に立っていることが分かります。前面展望がやはりお勧めですが後ろ側を見るのも面白いと思います。

進行方向左側。黒部川沿いに高い山が連なっているのが分かります。

進行方向左側に黒部湖の上流部分が見えます。この辺りは緩やかな斜面でタンボ平と呼ばれており紅葉の名所としても有名です。

上りのロープウェイとすれ違い。立山ロープウェイはワンスパンロープウェイといい中間に支柱が無いのが特徴です。そのため景色が良く見えるのです。

黒部平から大観峰を見上げます。中央部に写っている大観峰から黒部平までの間に一本も支柱が無いのが分かります。黒部平の標高は1828mです。ここは建物の外に出ることが出来ます。

建物の外はちょっとした広場が整備されています。黒部峡谷と書かれた石碑がありました。

 

ここからはケーブルカーに乗り継ぎます。13:40発の便に乗車しました。

黒部ケーブルカーは全線が地下トンネル内を走行しており標高1455mの黒部湖までの所要時間は5分です。標高差は373mで最大斜度は30.4度。

車両は1969年の開業時から使用されいるもので車内の照明設備こそLED化されているようですが、ほぼ開業時の姿を残しているそうです。

黒部湖駅に到着。次の目的地である黒部ダム駅にはダムの堰堤を渡っていきます。周辺には遊歩道も整備されておりレストハウスやダム展望台などもあります。

 

次回はこちらも今年で運用が終了してしまう黒部湖遊覧船ガルベ号を紹介します。