しばらく前のことですが、会社で昼の休憩時に将棋の話題が出ました。自分の職場には本人が将棋を指している人、家族(夫と長男)が将棋をするという人が居ます。
話をしていて気になったのが、三人とも盤駒を使わないということです。全員が将棋ウォーズを利用しているそうですが、盤駒を使って対戦したり棋譜並べをすることが無いとのこと。これは将棋愛好家として、さらに駒も作っている身としてはかなり気になりました。
「盤駒を使わなくてもスマホやPCで充分楽しめる」とのことでしたが、自分が若い頃にはこんな時代が来るとはまったく想像できませんでした。もしかしたら近い将来、会場を使っての将棋大会でも、大きなタブレットを使って対戦するのが当たり前になるのかも知れません。好きな駒書体を選べ、駒を並べなくても初期配置状態で画面表示される。棋譜は自動記録で欲しければスマホに転送、秒読みや千日手の判定などもすべてお任せと考えると「便利なことこの上なし」とも思います。
「しかしなあ」と、私は考えてしまうんですね。「生身の人間同士が盤駒を使って対局することには、タブレットなどを使って指すことでは得られないものがあるのではないか」と。
相手の気迫を感じたり、格上の人に勝てそうだと思ったときの心臓がバクバクする感覚。こういったことは盤を挟んで指してみて初めて分かるように思うのです。プレッシャーも大きいが、勝ったときの喜びや充実感も強い筈です。負けたら負けたで、強くなる為にこれから何をするか考え、それを実践する時間も増えるでしょう。ウォーズで対戦していても、時間の使い方などで対戦相手の心理状態や性格まで想像できることがありますが、相手と盤を挟んで向き合うのとでは質が違います
ネット対戦の方が、プレッシャーを感じないので気楽に楽しめるという人もいるでしょう。アマ名人戦のような全国規模の大会だと、実力は充分でも仕事があるので最初から参加を諦めざるを得ないという人もいる筈です。そのような人たちに門戸を開く意味で、パソコンなどを利用する大会は大きな意義があると思います。
将棋の楽しみ方やどのような方法で将棋を指すかは人それぞれですし、これから先も想像できないような変化があるのかも知れません。
とりとめが無くなってきました。盤駒を使って将棋を楽しむ人や棋具を大切に扱ってその変化を楽しんでくれる人が減らないでいてくれることを願って終わりにします。



