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  歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで「ミスター文部省」と呼ばれた著者は、かつてゆとり教育を推進させた。87年に臨教審が立てた国際化などの未来予測に見合うよう、個々のスキル(技法)からマインド(心持ち)を教えるほうに傾斜させたのだ。
 しかし学力低下論争の沸き上がりを背景に、ゆとり教育バッシングが起きて、彼は02年に文化庁に転出。それが昨年4月、当時の小坂憲次文科大臣の特命により文科省に戻り、大臣官房広報調整官に異動した。
 本著では、出版社の編集者を聞き手として、国旗国歌 から早期英語教育 まで持論を展開する。格差 については、成熟社会 では存在するのは当然、みせかけの平等主義 で教育を行った弊害は大きい、と明言。ゆとり教育、総合学習は、「違い」が意識される時代まで見越していたとも言えそうだ。
 「社会の変化 に伴い、詰め込み教育から生きる力を育む取り組みへと移行させる試みが、ゆとり教育」とする彼の言い分はごくまっとうだ。“点数”という局地戦で一方的に批判を浴びせると、現場の子どもたちが失うものは少なくない。寺脇氏は昨年11月に退職した。今後はさらなる本音が聞けるだろう。