アジアに落ちる:AKIRA
こんなにも強烈に、こんなにも激しく求めえられるなんて・・・幸せなことだ。いったいオレたちの何人が、生前、こんなに欲されることがあっただろう?(ティングティ 鳥葬に立ち会って)
人は欠落した何かを埋め合わせるように出会う。パズルの断片をそれぞれが持ち寄って、ひとつのビジョンを完成させるためだ。
風味絶佳:山田詠美
間食/夕餉/風味絶佳/海の庭/アトリエ/春眠
・もしかしたら、彼の手にした一番危ないものは、私だったかもしれない。寄る辺ないひとりの女の人生を、彼は、いつのまにか引き受けてしまった。彼の仕事に憐憫を感じるのは、この一点においてのみだ。そして、私の心は、ますます彼に傾いている。憐れみに肉体が加わると恋になる。そこには、かけがえのないもの哀しさが生まれ出づる。私の場合はそうだ。彼が私に対して感じるものもそういうものかもしれない。だって、私を見詰める時の彼の瞳は、哀しい飴玉のようにとろりとしている。私も、だから、それにならって、抱かれるときは水飴のように糸を引く。(「夕餉」より)
・「あんな女、もう顔もみたくねえ!」
「よかったじゃないか。ようやくそういう人が出来て」(「風味絶佳」より)
