漫画家さんへ

あなたと初めてお話したスターバックスで、回顧しています。

あなたがどのような人であったのか、SNSには全く出ていませんね。

もしプライベートのお写真が出てしまっていたら、作品の内容とは別なところで、大変大きな反響が出ていたと思います。様々な発信のやり方があっても積極的にされてこなかったのは、お仕事以外での人付き合いがあまり好きではなかったのでしょうね。私が少ないながらも共有したことを記していきます。

 

お好きな映画はブルーバレンタイン。人生においてよく見られる出会いと別れ、その中で表現される登場人物の心の機微、それがとても丁寧に描かれているところが魅力と言っていましたね。視聴後の気分は相当落ちるとも。けれどもそういう繊細な描写は芦原先生の作品でも、核となっているのではと私は思いました。そして芦原さんの好きな俳優はライアンゴズリング。この作品からだったかな?私の記憶は曖昧ですが、お聞きしてから私も気になりだした俳優です。2024年、今度は楽しそうな映画に出演されていますよ。この世界にはもう楽しみはありませんでしたか?

 

お酒は強くないけれど、カクテルやサングリアは飲んでましたね。ご友人とのホームパーティでは美味しそうな食事とともに楽しそうでした。

 

それと、とても大切なお話。ねこちゃんと長い間生活していたことは、あまり知られていません。若くして病気を患ってしまい、かかりつけの動物病院だけでなく大学病院へも何度も連れて行っていましたね。お仕事でお忙しい中、時間を作って毎日のように通院されることも多かったです。Bread & Butter の最終巻に掲載されたストーリーには、珍しくねこが登場しています。その性格だけでなくお花に囲まれたその描写から、実際の体験と想いが十分過ぎるほど伝わってきます。本当に本当に大事にされていました。

 

砂時計を連載されていたころは物凄く多忙で、死を意識したと言っていました。そこで自ら仕事量をセーブしたと。お仕事無くなるかもしれないのに、漫画家さんからそんな要望言えるのかと驚いたことを覚えています。そこはしっかりと話し合い今に至っていると聞き、勝手ながらこの先も、落ち着いた日常の中で作品を生みだして欲しいなと思っていました。また、私は絵を描くことが苦手なんですよとお話すると、上手なマル〇を描ける人は絵が上手いらしいと手塚治虫先生がおっしゃっていたと言うので、「じゃあ描いてみて」とお願いしました。サラッとではなく、じっくりとキレイなマル〇を描いてくれました。サインはありませんが、私だけが知る芦原さんの〇。メモ帳の一番後ろに描かれています。

 

過去において超多忙は勘弁との話し合いを小学館と行い、きちんとセルフコントロールもされてきた芦原さんが、作品のドラマ化によって受けた心労はどれほどのものだったのでしょうか。今回ご自身の要望が話し合いにはならず、一方通行になってしまっていたことは非常に大きな負担となりその心労は計り知れません。関係者の想像を絶していたことは結果を見れば明らかです。

 

LINEの画面上、2024年1月28日13時「(●●)が退出しました。」の表示を見た時の

思考が止まる感覚は今でも忘れません。亡くなる数日前にネットで騒がれていたため、くだらない話題で少しでも笑ってもらおうかと思いLINEを開いたところのこの表示。ネットニュースでは死亡が報じられていました。すぐに携帯のショートメールを送りました。もういないのだろうとほぼ理解しつつも、おそらくお知り合いならみなさんそうしていたのではと思います。

 

落ち着いた頃に連絡しようかな、いやいや私なんかが連絡したところでどうにもなるわけでなはいな、などと考えてる時間は無駄だったと思っています。自殺が止められたとは思いませんが、なにが琴線に触れるか分かりません。万が一によって、まだ生きていてくれたかもしれない。逆に不幸にもさらに後押ししてたかもしれない。それも分かりませんが、私は私自身がメッセージを送らなかったことを後悔しています。

 

佐藤秀峰さんがnoteでおっしゃっていたこと

「多分、普通の人だったんじゃないかと想像します」、「普通の人が傷つくように傷つき、悩んだのだと思います」。

その通りだと思いました。

実際にお話してみて私が感じたことは、芦原さんは特別な才能を持っていたけれど、ごく普通の感情を持った女性だったということです。

繊細な人ではなかったとは言いません。ただ、そんな人はどこにでも普通にいます。傷つき悩む、当たり前のように感情が動きそして私たちにとって非常に残念な選択をとられたのだと思います。

 

どのような想いで命を絶ってしまったのかもちろん分かりませんが、いなくなってしまったこと、連絡を取らなかったこと、残念な気持ちと後悔が残っています。

 

どうか安らかに過ごされることを願っています。

 

 

#芦原妃奈子 #漫画 #漫画家 #漫画家さん #セクシー田中さん #小学館 #日本テレビ #自殺

#悩み #原作者 #脚本家 #SNS  #猫 #ねこ #ネコ #ペット