前回記事の続き。
今日は立冬でした。
なので今日は、今からの季節にしっかり養生したい五臓について復習します。
冬に重要な関わりを持つ五臓は『腎』
腎には、生命力のもと、スタミナや活力源の『精』を蓄えておく蔵精(ぞうせい)という機能と
全身の水分の代謝を調整する主水(しゅすい)という機能と
肺が吸い込んだ精気を腎におさめる、呼吸機能を助ける納気(のうき)という機能があり、
骨・歯・髪・耳・膀胱・唾と密接に関係しています。
生命力の源である『精』を蓄えておけず、不足するということは、こどもの場合は成長の遅れなど、発育、発達に影響が見られたり、成人では、生殖機能の異常や老化がすすむ、ということ。
腎は老化、とばかり思っていましたが、こどもにとっても、重要な臓器だったのですね。
『精』って、とっても必要なものなんですね。
『精』ほしいですね。
自分で作ることができる『精』は、前回復習した、脾と胃の働きで消化吸収され、水穀精微という栄養価値のあるものになったもの。作った精を貯めておけなくてもいけないし、そもそも精を作れないのも、バランスの悪いお話です。
五臓は互いに影響し合っているということ、まんべんなく養生する大切さがわかりました。
少し話がそれましたが、
腎が変調すると・・・
・尿のトラブル(頻尿・尿漏れ・排尿困難など)
・生殖機能の不全(赴任・ED・生理不順など)
・息切れ、呼吸が浅い、喘息
・老化の症状(足腰の弱り・骨粗鬆症など骨がもろい・健忘・聴力低下・耳鳴りなど)
・発育、発達の遅れ
などの不調がみられやすいそう。
腎が正常だと、足腰丈夫で若々しく、髪にはツヤがあり、むくみもなくスッキリしているのでしょう。
腎を養生するために、今日も五行説を思い出します。
腎は五行でいうところの、『水』 『黒』 『鹹』 『冬』
冬に支障をきたしやすく、それを補うには『黒い食材』『しおからいもの(海のミネラルの味)』を意識して食べればいいんです。
例えば・・・
黒ゴマ、黒豆、牡蠣、イカ、ホタテ、スッポン、わかめ、ヒジキ、海苔、昆布、いりこ、栗、くるみ、きくらげ、きのこ類、貝類、ベリー類など。
身体を温める作用のある食材は・・・
にら、エビ、羊肉、生姜、紫蘇、ネギ、蕪、かぼちゃ、シナモン、山椒、スパイス類など。
また、冬はますます乾燥しているので、豚肉、ゆりね、豆腐、果実類、など、身体を潤す食材も工夫して食べます。
そして『腎』は、他の臓器と違い、補いすぎ、というのがないそうです。
精はどんどん使ってどんどん減る。
なのでどんどん補いましょう。1年中、補いましょう。
寒い冬は閉蔵(へいぞう)といって、身体を休ませる時期なのだそう。
激しい運動やダイエット、ハードワークなど…控えておきたいところ。
しっかり腎を養い、寒い冬を乗り越えます。
おやつ、くるみ。
野口 加純