僕らは様々な集団に属していて、それぞれで役割も違っている。

そして、集団というほどの繋がりはないにしても、自分が興味を持ったり、関わりを持った世界がある。

例えば、あるセミナーに行く、ある講演会に行く、コンサートに行く。

そこで、新たな出会いがあるかもしれないけれど、前から知り合いだった人、例えば会社で一緒に仕事をしていた人、同じ学校に通っていた人にバッタリ出くわすということはあまりない。

特に東京みたいなところでは、地理的に見ればとても狭い範囲で動き回っているのに、ほとんど会うことがない。

自分が属している集団の世界がいくつかあって、自分がその結節点になっているとも言える。

逆に言えば、いくつかの関わりのある世界が自分という存在を作り出している。

自分の中に多様な世界を持っていて、そこに自分では矛盾がない、と思っている。

自分が持っている幾つかの世界のそれぞれは、他でも接しているかもしれないけれど、その接点は自分ではあまり見えなかったりする。

たまにひょんな所で、ひょんな時に、バッタリ知っている人と出くわしたり、見かけたりすると、声をかけることもあれば、なんとなく気まずい雰囲気になることもある。

あの人も自分と同じ世界を持っているのか、という戸惑いもある。

でも、考えてみれば、自分が持っている複数の世界において、自分だけがその結節点であるはずもない。

その世界に足を踏み入れた時にも、今までの自分と新しい世界との結節点を通じてなはずだ。

それがある人を介してということもあれば、本とか映像、あるいは何かの物を媒介してかもしれない。

僕ら自身は、確かに幾つもの世界の上に成り立っている。

その結節点である僕らが、結節点であることを意識し、多様な世界を繋げていくことも可能かもしれない。

常に新しい世界を求めることではなく、自分が持っている結節点を生かす、ということもあるんじゃないか。

自分の中にある別々の世界は、それぞれ自分とは別の接点でつながっているかもしれない。

今度はその接点同士をつなげることで、それが線になり、さらには面になっていく。

逆にあえて点のままにしておく、ということもできる。

それは僕ら次第でどうにでもなる。

ただ、出会いを求めようとするなら、新たな世界に乗り出すよりも、結節点としての自分を生かす手もあるんじゃないか。

２０００人規模の講演会に行って、知り合いに出くわすことも見かけることなかったことで、ふとそんなことを思ったりしたのです。

（行ったのはこの講演会でした。）

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結節点としての自分を意識してみる。