彼の音楽に触れ合ったのは
小学生低学年の頃。
カーステレオから流れてくるその音楽を
知らず知らずのうちに
頭で反芻していた。
時は流れ、
中学生になってギターに興味を持ち始めた頃
親父が休みの日リピートしていたビデオ
【24ナイツ】
ロン毛に髭のたたずまいで
アルマーニやヴェルサーチの
スーツの身を包み
そこから発声する味わいのある歌唱法、
何より見た目に反して繰り出される
ブルージーかつエモーショナルな
ギターソロに
ガキんちょながらに
【なんちゅーかっこえーんや!こんなん絶対モテるやん!】笑
と、めちゃくちゃ思った。
時を経て
自分でギターボーカルとして
ソロをやり始めた頃
ブリージーなソロを弾く時は
完全にあの頃の【彼】に乗りうつっていた。
何故今まで観に行こうと思わなかったのか
本当に自分でも不思議で
親友から【もう次あるかわからんし行かへん?】
と言ってもらわなかったら
もう観ることはなかったかもしれない。
武道館は完全ソールドアウトの中
はじまったLiveは派手な演出一切なし。
照明は最低限のステージあかりのみ。
MCも一切なし。
1時間45分歌とギターとソロを
ただつないでいく時間。
俺の頭の中にあるあの【スーツに身を包み圧倒的ブルージーなソロを弾き倒す】
当たり前だがそんな彼はいなかった。
今年80歳。
ブルースに憧れ続けた彼は
より深くブルースに帰結して行くんだろう。
いなくなる前にその姿を
本当に観れて良かった。
Liveを終え
帰り際にふと思った。
俺の頭の中にあるあの【スーツに身を包み圧倒的ブルージーなソロを弾き倒す】
その彼と今ほぼ同い年の俺。
果たしてそんなかっこいい男に
俺はなれてるだろうか?

