プチ・農民日記 -4ページ目

11月8日 アスパラの病気

11月8日(火) 曇りのち雨  研修222日目


風が吹いていなければ昨日に引き続き

ビニールハウスにビニールを固定する作業をする予定だったのだが、

朝から風が吹いていたため今日はビニールハウスのアスパラ畑の

草取りをした。

次々と雑草は出てくるため1つ残らず、となるとキリが無いが、

一応これで今年の草取りも終わり。


その後は、内山さんに他のところのアスパラの畑を案内していただいた。

この時期であればまだ緑色をしていてもいいはずだが、

天気があまりよくなかったせいもあるのか、

どうも病気で黄色ではなく、茶色っぽく枯れている茎が多い。


そんな中でも、ある畝の幅を一般的な幅よりもかなり

広くとっている畑では病気の発生が少なく、きれいに

黄色っぽくなっていた。

(枯れているのではなく茎から養分が根に流れて黄色くなっている)

畝の間を開けて風通しをよくして蒸れるのを防ぐと

病気が防ぎやすいということを示した好例だ。

もちろん、病気があまり出ていない原因が

畝の間隔を広くしたこと以外にもあるかもしれないが。


病気のリスクを減らして面積当たりの栽培量を減らすのか

どうかということは自分なりにどの程度がいいのか

考えなければいけないところである。

ちなみに、株間30cm、畝間180cmというのが

一番収量が上がるという研究結果は出ているらしく。

この数値が一般的ではあるようだ。


広い方が機械が入りやすいこともあるし、

割と畝間を広くしてみたいとは思う。

あとは畑を見ながら考えよう。



つづく

11月7日 想像力

11月7日(日) 晴れ  研修221日目


今日はまず、アスパラの鉄杭を抜いて片付ける作業をした。

アスパラの倒伏防止のためにフラワーネットを張っているのだが、

その両端を頑丈な鉄杭を使って固定している。


露地の全ての畑の分を片付けるとあって

一体どれくらいかかるのだろうかと考えていたが、

約2時間で終わった。

設置のときはもちろん1日で終わったわけでなく、

位置を決めて曲がらないように畑の固い部分に

刺し込んでいった。全部で10時間くらいはかかっただろうか?

汗をかきながらやったのだが、やはり設置のときに比べたら

あっという間な感じがして、今までしてきた作業を思い出していた。


この作業を以て露地のアスパラの作業は終わり。

あとは雪が積もればアスパラの茎は潰され、来年、

雪が解けるのを待ち、枯れたアスパラの茎からフラワーネットを

外して片付けていく。

まだ片付けや来年の準備など仕事は残っているが、

アスパラガスの栽培の1サイクルが終わったのだと実感した。

(年内に茎を刈り取る可能性がないわけでもないが)


ちなみに、この鉄杭、もともとはビニールハウスの資材に使われていたようで

これをアスパラの支柱に使うのはここ美唄独特のものらしい。

鉄杭に鉄の輪がついているため、ハンマーで叩かずとも

その輪に足をかけて刺し込むことができるし、その輪のところで

それ以上深く刺さらなくなる。

(写真撮れば良かった・・・笑)

この鉄杭は現在製造されていないそうで今年の春に、

保管してあった方から譲り受けたりして残っているものを大切に使っている。

「地域の資源」というのは、こういうものにも当てはまるのだと教わった。


今日はロータリー(トラクターに取り付けて畑を耕すための作業機)

の爪を取り替える作業も行った。

以前にも違うロータリーの爪を取り替えたのだが

今回のものはかなりすり減っていて爪の長さが半分くらいになっているものさえあった。

あの固い鉄がすり減って半分になる程のパワーで畑が耕されている。

これほどの仕事を人間の手でやると思うと相当大変だ。

本当に、機械は効率をあげるし、省力化もできる。

だからこそ、壊れたときの影響は大きいのだから日頃の管理は

きちんと行わなければいけないと改めて感じた。


風がやんできたタイミングで、ビニールハウスの作業もした。

先日、ビニールを剥がさずに鉄パイプで巻き上げて天井部に固定している

と書いたが、ビニールハウスの妻面(縦長の形の短い面で出入り口がついている面)

のビニールも巻き上げて紐で縛って固定した。


とりあえず剥がしたビニールをもう一度妻面に固定して、大きさを整えて

巻き上げて固定していく。

この作業は来年の春にもできるが、剥がしたビニールをもう一度固定するのは、

今のうちにやっておくと来年の春に楽だからだ。

春先はやることが多い割にすぐに寒くなったり、陽が暮れるのが

早かったりと作業時間も短い。


この時期の作業は、来年の春に再び始めるとき、どのような

状態になっていれば楽なのかと想像しながら行うことが重要だと学んだ。



つづく

11月6日 ビニールハウス修復完了

11月6日(土)  晴れ  研修220日目


今朝は昨日の続きからビニールハウスの補修をして、

ようやくビニールハウスの補修が終わった。

道具を片付けて、一段落。


野菜畑の方は長芋を全て掘ってこちらも完全に片付いた。

今回はあまり大きく育っていなかったが、春にいただいた

長芋がとにかく美味しかった。

掘り取りにはかなり手間がかかるけど、秋田でも植えてみたい。


野菜のビニールハウスは左右の部分は鉄パイプで巻き上げる

のだが、水がたまっていたため一度下して乾かしてから

再び巻き上げてビニールハウスの天井に固定した。


僕の実家では毎年ビニールを剥いだりかけたりしているのだが、

この、天井に巻き上げて固定する方法は初めて見た。

これなら春にビニールを張る時にただビニールを

下に降ろすだけだから楽である。

ただし、この方法は、ビニールハウスの天井を固定しているからこそ

できるもので、今の実家のビニールハウスでこの方法を

とるためにはビニールの固定方法を変えなければいけない。



今日は、江別市にある米村牧場 を訪れさせていただいた。

実は、米村さんは春に、北海道の農業者の勉強会に

参加させていただいたときに隣に席にいらっしゃって、

そしてその後で僕が秋田でお世話になっている方に

紹介していただいていた。

さらに、今回、これまたお世話になっている道庁の方にも

ご紹介していただいていた。


米村牧場では、自分たちで牧草を生産して酪農をやり、豚も飼い、

チーズの加工をしている。

外部に委託する形で豚肉の加工品やヨーグルトなどの加工品も

販売している。

そして、米村牧場の堆肥は評判が良い。


どのような農業をしているかを伺いに行ったつもりが、

一口食べて感動したチーズを探しにヨーロッパへでかけた話や

教育の話、土壌の話、堆肥の話などなどと伺い、長々とお邪魔してしまった。


専門的な話はついていけないところも多かったが、

米村さんは非常に研究熱心な方であるということが良く分かった。

そんな米村さんでも、分からないことだらけだとしばしばおっしゃっていた。


そうだ、農業は本当に分かっていないことだらけ、

そして自分もまだまだ農業に対して分からないことだらけ。


それでも、分からないながらもいろいろと疑問を持って研究する農業は

すごく楽しいとおっしゃっていた。


思っている以上に自分中心に農業を始めたら、訳の分からないことだらけなのだと思う。

研修生活も分からないことだらけだったけど実際にやってみたということが

大きな前進だったと思う。



それにしても、早く農家になりたいと改めて思った1日だった。



つづく