どんなに健康な人でも、1日に50~100本の頭髪が抜けるとされていますが、不規則な生活習慣、精神的ストレスなどを抱える日本人男性の3人に1人、女性でも10人に1人が薄毛に悩んでいるそうです。
しかもこの悩み、決して日本人だけのものではない模様。イギリスで“頭を抱えている”人はおよそ1000万人(総人口の約1/6)に上り、「薄毛が進むとモテない」といった先入観から、コンプレックスを抱えてしまう人も多いといいます。
では、薄毛に悩む人はどうすればよいか? 現実問題として、かつらにせよ育毛にせよ、お金と時間がかかります。そこでイギリス人が考え出したのが、「頭髪タトゥー」なるサービス。髪の毛がなくなった頭皮に、入れ墨で毛髪を入れてしまおうという、なんとも斬新な発想です。
このサービスを生みだしたのは、イギリス北西部の街マンチェスター。サッカー日本代表の香川選手が今夏移籍することで知られるマンチェスター・ユナイテッドの本拠地です。
この街で“頭髪タトゥー”を始めたのは、ベッカムやサラ・ハーディングなど数多くのセレブを担当している売れっ子ヘアメイクアーティストのエイディー・フェランさん。HIS(Hair-Ink-Skin)という、頭髪の薄さを隠すための新技術を編み出しました。
要は頭皮に彫るたくさんのドットを髪の毛に見立てるわけですが、その色合いはまさにプロのワザ。ただ黒くするわけでなく、頭の形や毛穴の密度などによってインクの“ノリ”を変え、できるだけ自然な仕上がりにしています。
「私自身、24歳のころから髪が薄くなり始めたけれど、当時は『案外悪くないじゃないか』と思っていたんだ。ゆえにこのサービスを提供するのが遅くなってしまった」とはフェランさんの言。もうちょっと早く始めていたら、多くの男性を“薄毛コンプレックス”から救えたかもしれません。
ちなみにイギリスで毛髪移植の手術を受けようとした場合、その費用はおよそ2万5000ポンド、日本円で300万円以上かかってしまいます。ところがこの“頭髪タトゥー”は2000ポンド、25万円ほどです。一生ものと考えれば高い買い物ではないかもしれませんね。
日本にこのサービスが上陸したらどうでしょう。親からもらった体、しかも頭皮にタトゥーを入れるなんて…と考える人が多い一方で、頭髪に悩んでいる方にとっては朗報だといえます。
ところで髪の毛のタトゥーも、日本では温泉やプールなどの公共施設には入れないのでしょうか? 大阪市職員として働けないのは当然として。
(筒井健二)
(R25編集部)
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