匠な消費者になろう | 匠価値創造会のブログ(Ameba)

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有限責任事業組合匠価値創造会のスタッフブログです。イベント情報や活動報告などをこまめにアップしていきます。

匠価値創造会の樋口です。

昨日、靴底がぱっかりはがれた状態で足を引きずるように歩いていたため、腰が痛くて仕方ありません。
よく考えたら、あの靴は私の妻がバーゲン品を購入して私にプレゼントしてくれたものだと思い出しました。

妻は良く言えば「家庭的」な主婦感覚の持ち主で1円でも安いものを買う努力をする人です。
しかししばしば「安物買いの銭失い」的な、売主の目論見にまんまと騙されるような目に遭うことがあります。

この間も、100円均一のお店で10本入りで105円のボールペンを嬉々として買ってきましたが
まともに書けたのは1本あるかないかという始末。

私は妻に言っています。
「仕事に使う文房具だけは100円ショップでは買うな!」と
仕事に使う道具は、その人にとっての武器です。
昔の武士で言えば、刀や槍と同じくらいの価値があります。

いざという時に使い物にならない代物をたくさん持っていても、全く意味を成しません。

だから私は文房具や撮影機材だけは、どんなに高くても信頼の置ける会社の製品しか購入しません。
それも常に使う道具は必ず同じものを2つ購入します。

だからお金がたまらないんだ。

と妻はボヤきます。でも同じ道具を2つ持つことで救われたことは今までに何度もあります。
この考え方は変えられません。

「安くて良い物」を探して家計をやりくりする主婦感覚を否定するつもりはありません。
しかし安い物には安くなる理由があるんです。
本当に良い物は、安い訳がありません。

メイドインジャパンの製品が世界を席巻している時
それは大量生産大量消費の文化に乗っかった戦略でした。

つまり「日本製品は素晴らしい」という言葉の前には必ず「値段の割には」という形容詞がついていたのです。
「値段が安い割には日本製品は素晴らしい」

今の日本企業が輸出依存から脱却できないでいるのは、その「値段を安く良い物を作る」という、もはや時代錯誤な思想に取り憑かれているからです。

そんな企業風土、文化では匠の精神を持つ職人やエンジニア、それに企業は育たないでしょう。
良い物は高いんです。
それを手に入れるために一生懸命働くんです。そして匠の職人の手塩にかけた逸品をずっと使い続けるのです。

21世紀はアナログ技術への揺り戻しが起きる!と私は予言していますが、それは即ち大量生産大量消費文化の終焉を意味します。使い捨て文化の終焉です。

それこそが最も有効なエコロジーの精神です。
その為には、消費者の考え方をドラスティックに転換しなければなりません。
果たして使い捨て文化に毒された今の日本人に、その覚悟はあるのでしょうか?

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