デイユースを利用し、ホテルを出るとその後どこかの居酒屋に入る

これがお決まりのコースになっていった

さっきまであれだけ一緒にいたのにまだ一緒にいる

ある時、私は居酒屋でアイにこんな関係は嫌じゃないか尋ねた

不倫男が聞きそうなことだ

聞くことで少しでも自分の責任を感じたくない

ちっぽけで卑怯な男


アイは言う

 タクミさん何か勘違いしてますよ

 タクミさんはいてくれるだけでいいんですよ

 私にとって神なんで


心が締め付けられる


神なんで…今までの人生でこんなことを言われたことはない

嬉しさとともに、罪悪感が湧き上がってくる

今更ながら、この子にこんな経験をさせていることに対する罪悪感


アイに対する罪悪感

そこに家族に対する罪悪感はない


神なんで


アイが発したこの一言は終わった今でもよく思い出す

忘れたくても忘れられない

何度も何度もその時の情景とともに脳裏に蘇る

思い出しては苦しむ


まるで呪いのように

取り憑いて離れない