CREAR　BLUE　SKYはイギリスで結成されたG、Bs、Dsの三人から成るバンドで、アルバムは７０年にリリースされたものが唯一のものとなっていたが、９０年代に入って2ｎｄアルバムとしてリリース予定だった未発表音源が初めてリリースされた。メンバーはこの時点で全員が１０代だったらしいが、後にビッグネームとなったとは聞いていないので、その後の活動は不明。

これから紹介するのは７０年のデビュー作という事になるが、ここでの主役はブルースに根差された事の判るG奏者で、時代を反映してか歪まくったファズ音を特長としており、放つフレーズに余りブルース臭さが感じられないのが特徴で、高速運指による速弾きソロなどにはジャズ・テイストの方が強く感じられるもの。全体的には泣きのギターとは相反する技巧に富んだテクニシャン。それが故にサウンドもプログレッシヴと呼ぶに相応しく、Voにおけるビート・ポップ的にも映る中低域重視の歌唱スタイルは、意外にこのサウンドにマッチしているから不思議。曲中において目まぐるしく展開が変わるのもプログレの特徴と言えるが、このバンドも正にそれに近いもの。もちろん特異と眼に映った独自性のあるギター・スタイルがそうさせているのだろうが、、、、

トリオの場合はGを除いたリズム隊にもそれなりの技量が要求されるが、Dsに小気味良さやノリの良さ（少しモタリ気味）、更にパワフルさが足りないと感じさせるのは、トリオ編成のバンドとしては懸念材料の一つで、録音のまずさがあるのかもしれないがVoの弱さと並ぶネガティヴ材料。

ただサイケからハードロックに至る過渡期のサウンドとしては新鮮過ぎるサウンドで、まだプログレッシヴ・ロックと言った適切な用語もなかった時代を思えば、これだけオリジナリティの高いギターサウンドを創り上げた事は特筆に値するもの。結果的には若いが故にプログレ・ハードの可能性まで見せてくれたバンドといった事になるが、G奏者における技量やセンスは巧妙なアレンジ・センスと並んで間違いなく◎

　　　　　　　　　　　　７０年1ｓｔアルバム

個人的に2ｎｄアルバムは発売されて直ぐ購入したのですが、前作の様なプログレ・テイストは全く影を潜め、聴き易くなった分若干ポップ化したサウンド（在り来たりのロック）に魅力はほとんど感じられませんでした。もちろん好みの問題があるのでアルバムの優劣は決して付けられないのですが、デビュー作で見受けられた独自性が失われたのは残念としか言いようがありません。よって自身がお薦めするのは1ｓｔアルバムと言った事になりますが、ハードロック・ファンの方はもちろん、プログレ・ハードの好きな方には間違いなく期待に応えてくれる筈です。

G奏者の技量が反映された独自性のあるサウンド /クリアー・ブルースカイ

G奏者の技量が反映された独自性のあるサウンド　/クリアー・ブルースカイ