「メンフィス meets マッスル・ショールズ」
ソウル・ミュージックのファンであれば、この字ズラを見ただけでワクワクですね!
昨日、待ちに待ったウィリー・ハイタワーの初来日公演をビルボードライブ東京へ見にいきました。
Sam CookeフォロワーとかSam Cooke系シンガー という言葉に対して免疫ゼロの僕は、Willieのサザン・ソウルにも、御多分に漏れず昔からずっと感染していました。
そんなアラバマ州マッスル・ショールズ産のソウルを聞かせるシンガーを、テネシー州のメンフィス・ソウルを作ってきたスティーヴ・クロッパーと同郷のHi Soundを支えたHi Rhythm セクションのホッヂズ兄弟がバックアップするのです!サザン・ソウルのマニアにとっては「ラーメン全部のせ」みたいなものです!
Cropperは今から20年以上前、ナッシュビル在住時にBilly PrestonやらMark Farnerやらとのオール・スター・バンドで見て以来になります。
Hodges Brothersは去年のSpencer Wigginsの来日公演以来です。
とにかく、お目当てはウィリーです!いよいよです!
スティーヴが作ったのソウルの名曲をバンドだけで演奏した後、御大登場!
ラジオで聞いた新譜も最高でしたが、僕が見た東京発公演では、Fameでレコーディングした60年代の曲ばかりを、塩っ辛い喉で歌い上げました!勿論Samのカバーも!背筋がピーンとなりました!
気になったのは、スティーヴの方が知名度があるせいか、時に「Steve Cropper featuring Willie Hightower & Hi Rhythm」と表記されていたことです。
ステージではスティーヴはウィリーのことを呼び出す時に「Star of the show! Mr. Willie Hightower!」と敬意を評してましたが、ウィリー自身はそのことが少し嫌やったのか?と見てて思いました。そんなことを感じたのは僕だけだったかもしれませんが・・・。気のせいだったと願いますが。
何故か一度もスティーヴと目を合わせなかったと思います。ソロもふらない。サックスには何度もソロをふっていました。
勿論、彼の歌は鳥肌ものでした。チトリン・サーキットで鍛えた本物のソウルを、70過ぎの伝説の男は披露してくれました!
曲紹介をしてジックリ歌い上げ、時にオーディエンスに参加を求め、エンディングはドラムに指示を出し、小節頭のダウンビートでドラムのオカズが入って終わる。という感じで淡々とこなしていく様子。
曲紹介で「サム・クックの曲です」とか、メンバー紹介をするとかはありませんでした。
呼び屋がメンバーを紹介し、観客を煽り、アンコールは「Soul Man」。Sam & Daveのオリジナルに入っているSteveのフレーズ後の「Hey Steve!」と来るかと思いきや・・・。来ませんでした。
しかもウィリーがヴァースを歌っていたのにコーラスと勘違いしたバンドは、おもむろにエンディングに突入。スティーヴは「Hip Hug-Her」のイントロを弾いてその場を取り繕おうとして、ウィリーにポンポンとして話しかけていましたが、ウィリーはステージを去って行きました。なんか気まずい感じで終演。
・・・なんて思ったのは僕だけだったかもしれません!そんな貴重な回を体験できたというのもアリやと思います。
サイン貰おうと持っていったWillieのアルバムやら、Booker T & The MG'sのアルバム・・・持って行っただけでした(涙)。
しかし、とにかくサザン・ソウルの歴史を作ってきた猛者たちを体験できて、なんかウズウズが今日も一日続いています。

