セルの挑発により、悟空とベジータは心を昂ぶらせた。
「舐めるな……、オレ達の先祖を!! そして誇り高きサイヤ人を!!!」
絶望を振り払い、更なる力を高めていく二人にセルは綻んだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」
三人の咆哮と共に、放出される奔流が勢いを増した。
それは猛獣の光線を押し返す。徐々に形勢が傾き、均衡は崩れようとした。
「ヴ……ヴガァ……」
逆に猛獣は動揺に駆られ、気力が削がれていく。
迫り来る光に、猛獣は見開いていく。かくて、全ての光は猛獣を押し流した。獰猛な激流は猛獣を消し飛ばす。
「ガ……ガガ…………ガガガ……ガフォッ!!」
光の彼方へと跡形もなく姿を消した。
地平線にまで抉られた壕が激戦を物語っていた。辺りは静けさを取り戻し、煙幕がなりを潜めていく。
「ふうっ……」
逆立った金髪が項垂れ、黒に染まる。
悟空とベジータは腰を下ろし、へたり込んだ。セルも息を切らし、笑みを零す。
「てめぇ、挑発しやがって」
振り向いたベジータ。だが、その視線は敵を見るような目ではない。
悟空も無垢な笑顔で「サンキュな」と返した。
「ねぇ、話聞かせてよ。セルって完全に消えたでしょ?」
悟空の問いにセルは目をつぶる。そして口を開いた。
かつて孫悟空達と対峙するセルはセルゲームまで暇を持て合わせていた。気まぐれで一人の子供を産み落とし、それを卵にまで退化させて地面の中へと埋めた。
完全体の状態ゆえに、孵化するまで数十年もかかり幼虫の状態で更に長い年月を欲した。
高い戦闘力に見合った潜伏期間ゆえに、孫悟空達が年老いて朽ちるまで姿を現すことはなかったのだ。
「そういう事だったのか……」
呆然とする悟空とベジータ。
「とまぁ、親父の敵っても実感ないし、ちょっと人間怖がらせて寂しいなーと思ってた所だ」
内気な吐露に悟空も思わず噴出す。
「まぁ神様も緑の悪党面なワケだし、仕方ないだろうよ」とベジータの笑み。
こうして三人は意気投合すると旅を続けた。
後に、薬物を精製して世界を牛耳ろうとする“ブルー・ネクタイ”と言う悪の組織が判明した。
そしてそれを統括していたのがオーケストラというナメック星人のボスが大魔王を再現しようと目論んでいた。
数々の強敵を打ち倒し、潜在力を引き出し成長を重ねて言った三人は組織の本陣へと向かった――――。
きっと世界を揺るがす最終決戦が人々を不安にし、恐慌に陥らせた事であろう。
だが、彼らは負けはしない!!
ドラゴンボールと言う七つの珠を巡って、彼らはずっと戦い続ける。
時を経て、オーケストラとも絆を作り多くの仲間を得て、宇宙からの侵略者へと立ち向かう。
彼らの旅は未来永劫まで続くでしょう――――。
この話はおしまい。
皆様、ご愛読ありがとうございました。次回の作品にご期待ください。
ではひとまずサヨウナラです。(´д`)ノシ
ドラゴンボールの小説を書いています。GTの1000年後の世界を舞台に悟空jrが駆け回ります