おしえて!たこし先生!

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世界各国の論文を読む事10年以上
年3000本以上の論文を読む僕が
宇宙や瞑想、技術に考古学など
多岐に渡る皆様の生活に役立つ論文をご提供します。

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M
「いや、まじでふざけんなし」
「まじでありえなくなくなくない?」
「イヤほんと、うざすぎるし」

朝っぱらから
ありえなくなくなく―――の
使い方を間違えて

結局有り得てしまっている言葉を
連呼しているのはギャルのM

井上先生は怖くて(いや、面白くて)
教室に入らず
扉の隙間からずっと見てました

M
「いやホントまじでなんなの?」
「どうやったらそんな事できる系なの?」
「ゲンジツ見えてないにも程がある星人かよ!」

ときは2000年代

ギャルという死語がまだ
生語として生き生きとしていた時代

ギャル生徒Mは
なにやら誰かに文句を言っているようだ

扉の隙間から見るのは限界なので

恐る恐る(笑いを堪えながら)
教室に入る

井上
「はいはーい、アンソニー・ホプキンスも真っ青な
 今年の最優秀男優賞候補の俺がきたぞー
 みんな席に、2秒以内につけー」

イソイソと席に戻りだす生徒たち

ギャルMはぶつくさ言いながら
渋々席に着く

―――ふと、教室を見回す

泣きそうな顔している子が一人

生徒会役員のK
真面目だけどどこか抜けているのが売りの
剣道部の女子生徒だ

ははーん、と
ワインソムリエの田崎さんに匹敵するくらい
気を使えてしまう井上先生は瞬時に気づきます

ギャルMの餌食は、Kか―――

生徒が、他の生徒と問題っぽいものを
起こした時

それは先生にとっての喜び(度合いによるけど)

雨降って地固まる
災い転じて福となす
怪我の功名
喧嘩の後の兄弟名乗り

良いことってのは、大体あれだ―――
不幸の形でやってくるってやつだ

お釈迦さんも言っている
四苦八苦ってやつ

人生では四苦八苦は避けられない
皆誰もが
苦しい思いして
悲しい思いして
ひどい目にあって
最後に死ぬ―――

大事なのは
そのような逆境を避ける能力―――じゃなく

逆境に対してどのような態度で居られるか

ソレを教えるのが、先生というやつだ

―――井上先生はいつも生徒に呼びかけます

井上
「あーー、その、なんだ―――、あれだ、あのー・・・」

ギャルM
「いのいのウザイし!」

半周り年下の女の子に凄まれて
足ガクブルの井上先生はそれでも
果敢に立ち向かいます

「・・・、あ、はいすいません
 全部俺が間違っていました
 教頭に喧嘩売ったのも・・・
 むしろ教師になったのも・・・」

果敢に立ち向かったからといって
勝てるわけない戦いの勝敗が
ひっくり返るわけじゃない

―――そんなこんなで
放課後まで落ち込んでいたら

女生徒Eが話しかけてくれました

E
「せんせー、落ち込んでるフリはいいから
 Kちゃんの話進めてあげてよー」

井上
「あー、Eか・・・違うんだ
 もうあれだ
 俺なんかもう死んだほうがいいんだよ
 粉々になって
 みんなお弁当のご飯に
 ふりかけてもらってだな・・・」

E
「だからもう、落ち込んだフリはいいから
 いつものようにKちゃんとMさんの
 仲裁をしてカッコよく決めてよね」

井上
「!!俺が?
 かっこいい?まじか!」

E
「そうそう、先生はそれくらい
 根拠なく馬鹿騒ぎしてるくらいが
 先生なの!
 頼りになるんだから、先生元気だしてね」

井上
「そこまで言われて何もしないなんて
 末代までの恥だな
 よし、任せとけ!」

今思えばチョロい井上先生は
元気を取り戻し
ギャルMへの再戦?を誓うのでした

―――とまあ一連の小噺はさておき

今回のテーマは

人任せのものは0か100で判断したらアカン

です

先日選挙がありましたね

各々マニフェストを掲げ

〇〇を実行するので投票してくれ!
と候補者さんたちが叫びます

ところで、紳士淑女の皆様は

候補者さんたちを、どう測っているでしょうか?

此度、ギャルMを引き合いに出したこの話は

他人をこんな風に評価しだしたら
話が全く進まず喧嘩になるよ笑

っていういい例だと思います

それに気づけたら――今度は発展版

他人を評価する時に大事なこと
も合わせてご覧いただけたら

矛盾するようですが
すでに完璧な存在の紳士淑女の皆様の
心の清涼剤になるのでは、と思い
筆を取りました

些末な文章ですが
最後までお付き合いいただければ幸甚です

――――――――――――――――――――

井上
「ほいで、お前は朝
 なにを発情したマントヒヒみたいに
 騒いでたんだ?
 母マントヒヒが悲しむぞ?」

M
「誰がマントヒヒだし!
 いのいのまじで意味わかんないし!」

井上
「マントヒヒは相手を威嚇する時
 身体を大きく見せて
 ブヒブヒとわめきちらすんだ
 お前がマントヒヒじゃないんなら
 どうして朝喚いてたんだ?」

M
「いのいのには関係ないし!」

井上
「関係ないことない
 お前は俺の生徒だ
 お前が騒いでるのはいつものことだが
 お前が悪いやつじゃなくて
 一方的に誰かを避難するような
 そんなやつじゃないってことを知っている
 だから、お前のマントヒヒみたいな行動が
 気になったんだ」

M
「・・・もう、マントヒヒはいいし・・・」

井上
「そうだな
 人間だったら、言葉を交わそうな
 んで、あれだ―――
 ぶっちゃけ、Kだな?
 何があった?
 ラーメン行くか?」

校外での生徒との私的な接触
下校時の買い食い

それら全てに反して
上等をかます井上先生と
Mの会話は続きます

M
「あいつが悪いんだし
 あいつがしっかりしなきゃいけないんだし
 うち、悪くないし・・・」

井上
「そうだな
 お前はそういうやつだよな
 ほいで、Kが何したんだ?」

M
「うー・・・」

煮え切らないMは
以下のことを教えてくれました

・Kは生徒会役員であるのに
 公約を全然守ってないこと
・全体の利益を考えないといけないのに
 特定の誰かの利益になる行動をしていること

井上
「お前やっぱり―――
 頭いいんだな笑
 感心したよ笑」

M
「いのいのはすぐソレだし・・・
 褒めたりけなしたり
 意味わかんないし」

井上
「そーだな
 人生の中で
 そんな変な大人が居てもいいじゃねーか
 と、俺は思うぞ
 それはさておき、お前はどうしたい?」

M
「・・・・」

井上
「こういう場合はまぁ、
 いくつか選択肢があるが
 例えばこうだ―――
 1.一方的に自分の正義を貫き通す
 2.みんなに聞いてみる
 だな
 なぁM、お前はどうしたい?」

M
「・・・2」

井上
「そっか、じゃあ明日の放課後
 LHRだから聞いてみっか」

M
「なんか、ノセられた感あって
キモい・・・」

井上
「観念しろ、ソレがお前の担任だ」

――――――――――――――――――――

翌日のLHR
孔明の生まれ変わりと評判の井上先生は
皆に問いかけます

井上
「えー、あれだ
 ええと・・・あれだ・・・あれ――
 ええと―――、なんだっけ??」

E
「先生!
 ふざけないでしっかりやってよ!」

井上
「馬鹿野郎!
 お前人生ふざけないで、いつふざけるんだ?
 というかあれだ!ふざけてなくて
 本当に思い出せないんだ・・・」

Eに憐れみの目で見られながら
なんとか思い出した井上先生は続けます

井上
「昨日のあさ、
 教室にマントヒヒが出て暴れていた件だ」

ギャルM
「マントヒヒじゃないし!」

井上
「!!な、なんとマントヒヒが
 わざわざ名乗り出てくれたぞ!
 では、経緯をどうぞ―――」

M
「いのいの、やっぱりまじで最低だし!」

こういう時―――つまり、
生徒同士が揉めた時、

先生は関わっては行けない―――と
俺は恩師から教わりました

徹底的に話をさせなさい―――

そう、恩師に教わった俺は
MとKを徹底的に話をさせました

話をさせる上で注意なのが

言葉を語る時

相手への攻撃を含めないこと
相手を貶す意図ではなさないこと(どの口が言う笑)

やっぱりね

子供は頭、いいです

みんな、いい子です

悪い子はいないです

大人はしらんけど、
子供たちはみんな、しっかりしています

子どもたちだけで話し合って
子どもたちだけでルールを作って
難題に立ち向かい
乗り越えて全員で血肉にできる

素晴らしいです、ほんと。

俺は、話し合いの最中

今日はラーメン、大盛りにしちゃおうかな
いや、最近運動不足だし―――

などと9割考えながら

真面目に生徒たちのやり取りを聞いていました

生徒たちの出した結論は
・相手を責めない
・自分の意見と、相手の意見は異なって当然
・意見が異なるからって、相手を責めていい切符にはならない
・意見が異なるけど仲良くできる、そんな人間になりたい

みたいな感じでした

本当に素晴らしい、感動

――――――――――――――――――――

さてここで井上先生がしゃしゃり出ます

生徒たちより半周り多く生きて
世の甘い酸っぱいをちょっとだけ知った井上先生から

ちょっとだけアドバイスします

井上
「これから先、
 おそらくこうなる―――って前提で
 話をする
 もしそうなった時は
 我を忘れてるだろうから正気に戻れ
 って意味で話すから、よく聞けよ」

K
「先生、かっこいい!」

井上
「あたりまえだ
 ―――あのな、
 怒りの種類について
 という題目ではなすぞ
 怒りというのは
 いくつかの種類があるんだ
 おい、ボクシング部のU
 お前、怒りの種類わかるか?」

U
「え?俺―――?
 ええと―――
 ムカつく先輩がいる、とか?」

井上
「そうだな
 そんな先輩はかまわん、ぶっとばせ
 試合でな
 今Uが言ってくれたのは
 私憤というんだ
 つまり、自分の怒りだ
 ここまではOK?」

U
「うん」

井上
「対して、自分のことじゃないのに
 怒りを覚える瞬間があるとする
 T、お前そんな瞬間あるか?」

T
「え?俺?
 ええと――、
 暴漢が街中で暴れて他人を怪我させた―――とか?」

井上
「そうだな
 個人の利益を優先して
 社会や他の個人に損失を与えるようなやつに感じるのが
 いわゆる公憤ってやつだ
 これを別名、義憤とも言う人がいるけど
 まぁソレは各々ググってくれ」

E
「先生―――やっぱ先生じゃん!」

井上
「だろ?
 ほいでな
 社会に出ていくと
 さっきTが言ってくれたように
 わっかりやすいアホやらかすやつもいれば
 気づかれ~ずにコソコソ悪いことする
 極悪人も出てくる
 そしてそん時、大体の人がまぁ―――怒る」

U
「うん」

井上
「ほいでな
 相手を怒る時
 大体の人は、こうなるってのがあって
 そうなったら、相手との関係を修復することはおろか
 打開策をひらめくことも難しい
 俺は、俺を含めて話すが
 お前らにはそうなってほしくないんだ」

E
「相手に怒る時、人はどうなるの?」

井上
「うん、まさにそこだ
 相手に怒る時
 人はその人を、0か100かで測るんだ」

T
「0か100?」

井上
「そうだ
 たとえば今回MがKに対して
 あれこれ文句を言っていたな
 全体の利益を考えないといけない立場の人が
 特定の誰かの利益のために動いて良いのか―――てな」

M
「マジありえないし、それは、まじで」

井上
「まー、たしかにそうだ
 しかしこの世界はよくできていて
 他人は自分を写す鏡ってな、よく言ったもんで
 自分が全く同じことしているのに
 あんま気づかないんだ」

E
「同じこと?」

井上
「そうだ
 相手に対して0か100で求めてるって点で
 そっくりだな
 お前らはさっき、
 たっぷり30分以上かけて話し合ったな
 その態度が正しいんだ、と俺は思う」

M
「うー」

井上
「話を聞く限り
 今回のKの行動はMの勘違いっぽいけど
 相手を0か100かで測ってる時
 あー、自分は今、怒ってるんだな
 こういう考えの時に行動しても
 何も解決しないな
 そう思い直してほしいもんだな」

E
「難しい・・・」

井上
「そう、難しんだ
 難しいんだけど
 こうやったら簡単に覆るぞ、という話を
 これから教えるよ
 お前らの人生で怒りを感じた時
 コレをやってみてほしい」

M
「・・・。(キラキラした目をしている)」

井上
「それはな
 0か100かじゃなくて
 自分なりの相手への点数をつけることだ
 例えば今回
 MはKの行動を
 勘違いとはいえ
 0か100かで測っていた
 そうだな?」

M
「うー」

井上
「これはどっちが先か―――という話じゃなくて
 0か100かで測っている時
 人は怒っているときが多いし
 人は怒っている時
 相手を0か100かで測っているもんだ」

U
「わかる気がする」

井上
「んだろ?
 だからそういうときは
 相手に点数をつけるんだ
 つまり、Mは今回
 Kに対して
 Kは公然の利益を独占しやがってる
 許せない!
 けど・・・学校生活の他に
 生徒会なんて受持って
 彼女なりに頑張ってるんだ
 そこは評価しなきゃな・・・
 てな具合でだな」

E
「先生!かっこいい!」

井上
「あたりめーだ
 皆喧嘩のしっぱなしなんて嫌だろ?
 だったら、0か100かで相手を見てしまってたら
 自分を戒めて、相手に正確な点数を付けてみてくれ」

M
「うーー」

K
「先生、ありがとうございます(半泣)」

――――――――――――――――――

紳士淑女の皆様
いかがでしたでしょうか?

昨今、選挙活動が行われ
相手を罵倒している人を見る機会が
多いのではないでしょうか?

そんな中で建設的な話など
できるはずもない―――と俺はお思います

相手を変えることは容易ではないですが
自分を変えるのはタダでできます笑

福沢諭吉や渋沢栄一のような
お札になる人達は皆

その都度自分を変革させて
行動をしていたようです

皆様の心の清涼剤になれれば幸甚です

尚、井上先生は現在
もんのすごいプロジェクトに参画させていただいておりいます

俺の生徒たち、
仮にコレを見る機会があれば
力を貸してほしい

お前らはもう俺の生徒じゃない

共にこの世界を歩んでいく
魂の伴走者だ

あの時、教室でワイワイやらかした俺たち
また集まってバカやりたい酔狂なやつがいたら
遠慮なく連絡してくれ

ほいでは、また、どこかで